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『いつも2人で』 Two for the Road (1967)

いつも2人で [DVD]

あの教会はあのカルトな映画のロケ地で
あのお城はヘプバーンのあの映画のロケ地

こちらは『いつも2人で』のエントリーです。
『パリの恋人』については別にエントリーを設けてありますので、そちらをどうぞ。

 → 『パリの恋人』 Funny Face (1957)

作品メモ

6月3日にNHK BS2で放送されました。
自力でわかったロケ地があったのでとりいそぎチラ裏的メモ。

アルバート・フィニーが「建てた人物は不明だ」と言いながら立体カメラで撮る建物、あれはサンリスのノートル・ダム大聖堂 La Cathédrale Notre Dame de Senlis です。
この聖堂、『まぼろしの市街戦』のメインのロケ地でして、以前エントリーを書いたときにかなりしつこく画像を見たので、記憶の回路がすぐに繋がったのでした。

詳しくは → 当サイト『まぼろしの市街戦』

ちなみに今月、同じくNHK BS2でその『まぼろしの市街戦』が放映されます。
6月26日(金) 午後1:00~午後2:43
http://www.nhk.or.jp/bs/genre/movie_7later.html#200906261300

カルトな名作ですので、ぜひどうぞ。

もう一箇所自力で見つけたロケ地がありまして、オードリー&ドーネン監督の別の映画と関わっているのですが、詳しくは以下のロケ地巡りで書く予定です。

時代とクルマ

現在形の旅行の場面に、過去形の旅行が時間軸をずらせて次々と、時にはトリッキーな形でカットバックされていくため、ぼーっと見ていると混乱してしまいます。

古い順に整理するとこんな風になるはずです。
なんだかリバースを解除した『メメント』みたいで身も蓋もないですが、ご参考までに。

クルマ
(リンクはIMCDb
Wikipedia 出来事
1 フェリーを降りるときに最初の出会いが。
1a Volkswagen Micro Bus VW_Microbus 合唱団の車でジョアンナと再会。
1b Alfa Romeo Giulia 1600 Sprint Alfa_Romeo_Giulia ジョアンナがお先にヒッチハイク。以後様々な車を乗り継ぎます。
2 Ford Country Squire Ford_Country_Squire マンチェスター一家と一緒
3 MG TD MG_TD#TD いきなりエンコ。その後も時折変な音が……。ジョアンナは妊娠中。
4 Triumph Herald Convertible Triumph_Herald マークがひとりですいすいと…… その後は家族3人で。(※19/2/10追記 クルマは同じですが、マークがひとりで乗っていた時と家族で乗っている時はそれなりに間が空いていると思われます)
5 Mercedes-Benz 230SL Mercedes-Benz_SL エアフェリーを使うリッチな旅

※注 IMCDb (Internet Movie Cars Database )
映画に登場するクルマのことなら、なんといってもこのサイトです。
『いつも2人で』もデータがありました。 →  IMCDb.org “Two for the Road”

なお、ベンツはドーネン監督個人の所有物とのこと。

オードリー・ヘプバーンといつも2人で(追記2011年11月)

ヘプバーンさんのファンの方のブログで、このエントリーを取り上げていただきました。

http://audreyhepburn.ko-co.jp/e185724.html

情報量豊富で充実した内容はファンならずとも必見。ぜひご訪問ください。

ロケ地

IMDbでは

Beauvallon, Drôme, France
Cap Valéry, France
Château de Chantilly, Chantilly, Oise, France
French Riviera, Alpes-Maritimes, France
Grimaud, Var, France
La Colle-sur-Loup, Alpes-Maritimes, France
Nice, Alpes-Maritimes, France
Paris, France
Port de Nice, Alpes-Maritimes, France
(ferry disembarkment sequence)
Ramatuelle, Var, France
(Dalbret villa scenes)
Restaurant Leï Mouscardins, Rue Portalet, Saint-Tropez, Var, France
Saint-Tropez, Var, France
Studios de la Victorine – 16 avenue Edoard Grinda, Nice, Alpes-Maritimes, France
Étangs de Commelles, Coye-la-Forêt, Oise, France

エア・フェリー

驚きました。こんなのあったんですね~。
座席のあたりにBRITISH UNITEDと書かれてありました。

フェリー

下船するところ。

Port de Nice, Alpes-Maritimes, France

※19/2/10追記
もう少し具体的にチェックしますと……

ヒッチハイク時代、パスポートを探し始めた時の背景は↓ (カメラ東向き)

荷物をあたっているジョアンナをマークが見とがめるショットの背景は↓ (カメラ北向き)

なので、船は港の奥、西側のだいたいこのあたり。

MG時代、パスポートにスタンプをもらい車に乗り込んだのは、港の出口に近いこの位置。

いずれも撮影地はニースですが、パスポートにDIEPPEのスタンプが押されますので設定ではディエップ。
日付は11 JUIN 1959。

この後(0:18頃)行き先を地図で確認する場面でジョアンナは間違えて南仏を探し始めますが、撮影地としてはそちらが正解だったかも 🙂

鉄塔

※19/2/10項目追加

0:14
MG時代(修理中)、ヒッチハイク時代(トラクターを追い抜くVWバス)。

鉄塔が好きなので(笑)この鉄塔群には萌えますが、さすがに場所を突き止めるのは難しいでしょうか。
一応項目だけ立てておきます。

遺跡

※19/2/10追記
0:18
遺跡は水道橋の下の部分では?と気づいたので、そのあたりを重点的にチェックして判明しました。

Aqueduc de MaintenonW
Château de MaintenonW

敷地の南側を東西に水道橋が延びていますが、おそらく水道橋に沿って東から歩いてきてここで左折、南南東に歩いて行くように見えます。

最初にエントリーを立てて以来ですから、ほぼ10年ぶりにスッキリ。こういうの嬉しいかも 🙂

聖堂

3次元のカメラ(字幕ママ)で撮影したところ。
はじめに書いたようにこちらです。

513886942_f6ec97fe6c.jpg サンリス・ノートル・ダム大聖堂 La Cathédrale Notre Dame de Senlis
Senlis, Oise

マップはこちら↓

同じ1967年のフランス映画『まぼろしの市街戦』の主な撮影場所となっています。
  → 当サイト『まぼろしの市街戦』

ステレオカメラ

ここで登場するステレオカメラはこちら。

Verascope F40

湖のほとりの城

ジョアンナが車から降りて歩きながら口論する場面。
背景に湖があり、その向こうにお城のようなものが見えます。
アングル的にこんな感じですね↓

この場所だとすると建物はこちらです。

Château de la Reine Blanche
Étangs de Commelle, Coye-la-Forêt, Oise, France

400px_Coye_Reine_Blanche.jpg

右の画像はWikimediaから(パブリックドメイン)。

マップはこちら↓

実はこのお城、同じくスタンリー・ドーネン監督、ヘプバーン主演の『パリの恋人』(1957年)で何度か登場するロマンティックなあの教会です。
『パリの恋人』については別にエントリーを設けてありますので、そちらをどうぞ。

 → 『パリの恋人』 Funny Face (1957)

単なるロケ地の使い回しかもしれませんが、深読みするなら、フレッド・アステアと愛を誓い歌って踊ったその同じ場所で10年後に夫婦喧嘩するというちょっとした皮肉といいますか、セルフパロディを演出したとも受け取れます。

現代の口げんかの前後に過去の場面がありますが(2人が水辺に腰掛けて別々にヒッチハイクしようと相談するところ)、背後に映っているのは、お城のすぐ隣にある建物です。
アングル的にはこの時2人はこちら↓の水門の脇に腰掛けているはずで、お城のほぼ真正面にあたります。

車が炎上

“DOMAINE ST.JUST”という設定のようですが、場所不明。

※18/1/30追記
Netflixで配信中のドラマ『ラ・モント』で同じ物件が登場していたため、ようやく(9年ぶり!)場所が判明しました。

Château de Villette (Condécourt)W
http://www.theheritage-collection.com/5204A5BBB533D

パリの北西30kmほどのところです。

『ラ・モント』のフランス語版WikipediaWに、ここで撮影された作品のリストがありました。

  • 『タンタンとトワゾンドール号の神秘』Tintin et le Mystère de La Toison d’or (1967)
  • 『巌窟王〜モンテ・クリスト伯』Le Comte de Monte-Cristo (TV 1998)
  • 『ナイト・オブ・ザ・スカイ』 Les Chevaliers du ciel (2005)
  • 『ダ・ヴィンチ・コード』 Da Vinci Code (2006)
  • Pièce montée (2009)
  • 『ラ・モント』 La Mante (TV 2017)

『ラ・モント』では、キャロル・ブーケ演じる猟奇連続殺人犯が住むところとして登場しています。
エントリーも書きましたので、よろしかったらそちらもどうぞ。

→ 『ラ・モント』 La Mante (2017)

記念写真

マンチェスター一家とあわただしく記念写真を撮るところ。

Château de Chantilly
http://www.chateaudechantilly.com/

800px_Chateau_de_Chantilly_garden.jpg

画像はWikipediaから(パブリックドメイン)。

マップはこちら↓

ここは『007美しき獲物たち』でも登場していました。

マンチェスターのクルマから降りたところ

※19/2/10項目追加

1:00頃
気になるので調査中。

山間のコースとホテル

※19/2/10項目追加

ライトブルーのカブリオレを駆るブロンド美人と抜きつ抜かれつで、そのまま泊まってしまったところ。
調査中。

彼女が乗っていたのは、IMCDbによれば

1959 Renault Floride Cabriolet
http://www.imcdb.org/vehicle_12584-Renault-Floride-Cabriolet-1959.html

ラスト近くの交差点

※19/2/10項目追加

ラスト近く、クルマが次々通過するロンポワン。
オベリスクのようなものが建っているのが特徴的。
気になるので調査中。

国境

※19/2/10項目追加

調査中。

ロケ地マップ

ヘプバーン出演作のロケ地マップから、『いつも2人で』を中心に(12/7/17追記)


より大きな地図で オードリー・ヘプバーン出演作 を表示

資料

関連記事

ヘプバーン出演作

更新履歴

  • 2019/02/10 「時代とクルマ」「フェリー」「遺跡」「聖堂」「湖のほとりの城」追記 「鉄塔」「マンチェスターのクルマから降りたところ」「山間のコースとホテル」「ラスト近くの交差点」「国境」項目追加
  • 2018/01/30 「車が炎上」追記

コメント

  1. みつお より:

    こんにちは!
    「オードリー・ヘプバーンといつも2人で」のみつおです。

    久しぶりにお邪魔させていただくと、なんと!ドゥメイン・サンジュストのロケ地が判明したのですね!( ・∇・)

    僕も色々と調べましたが全然わからなくて…

    inagaraさん、本当にありがとうございました!
    また次回のこちらのブログでも取り上げさせてください!(*^^*)

  2. 居ながらシネマ より:

    みつおさん、ご無沙汰してます。
    そうなんですよ、9年ぶりに判明しました(笑)
    どこかで館の外観が記憶に残っていたのですね。そのドラマ『ラモント』をみはじめて、ずっと気になっていたのですが、最後の方でようやく『いつも二人で』だ~と思い出しました。
    これでスッキリ眠れます♪

  3. みつお より:

    inagaraさん、こんばんは!

    本日この記事でわかったChâteau de Villetteのことを記事にアップさせていただきました。
    Château de Villetteに合わせて、記事も「いつも2人で」関連にしてあります(^-^

    本当になかなかわかりませんでしたね。
    僕もパリの北東のシャンティイの方かと思って、そちらばかりをチェックしていましたが、パリの北西側だったんですね!

    本当にありがとうございました!m(_ _)m

  4. 居ながらシネマ より:

    みつおさん、コメントとサイトでのご紹介ありがとうございます。サイト拝見しましたが、あいかわらずものすごい情報量ですね。
    あー、4の2つは別の年代で、全部で6つなんですね! 私も間違えてました orz

  5. みつお より:

    inagaraさん、文章量多すぎて読みにくいですかね?(^_^;)
    ついいつも、わーって書いてしまうんです…

    inagaraさんの分け方は車でだからかな?と思ってましたよ~
    2と3が正しいだけでもスゴいことですよ~(*´ω`*)

  6. 居ながらシネマ より:

    みつおさん、たしかにクルマで分けたような記憶が……
    4は本編見返してから、記事に修正入れます。
    ありがとうございました!

  7. みつお より:

    inagaraさん、さらに希望なのですが、次のシーンでの場所もわかれば…と思います。

    ・最後、時系列順に6回の旅が全部出てくる時の4回目と5回目の旅の車(同じ赤い車)が左右で分かれるロータリーのような場所
    ・ラストシーン、国境を越える2人のシーンで出てくるところ

    です。のんびりでいいのでお願いします。

  8. 居ながらシネマ より:

    みつおさん、ラストシーンの場所は以前から気にはなっていましたが、資料がないとすぐには難しいかもしれませんね。
    おそらく南仏の海岸をたどっていけば見つかりそうな気がしますが。
    その前のオベリスクのようなものが建っている交差点も結構ありがちですが、トライしてみます。
    昨夜少し見返してみましたが、その他にもこの映画、まだまだチェックできる箇所がありそうですね。
    手元にあるのがBS2の録画(SD画質)で、もう少し良い画質で見たいところですが、日本盤のBlu-rayはなさそうですね。

  9. 居ながらシネマ より:

    アルバート・フィニーが亡くなりましたね……
    だからというわけではありませんが、久々に本編全体をを見返して、記事を少し追加しました。アーチ状の遺跡がどこなのか判明して、少しスッキリです。

  10. みつお より:

    inagaraさん、こんばんは!

    記事、また増えてるんですね!(*^^*)
    次々と判明していくのが嬉しいです!

    いつかinagaraさんの記事を元に、オードリー・ヘプバーン ツアーをしてみたいです!
    その中でも「いつも2人で」は旅行の中心にしようと思っています(*´ω`*)

  11. 居ながらシネマ より:

    みつおさん、こんばんは。
    判明したのは遺跡(水道橋)のと、フェリーの港をもう少し詳しく見たぐらいで、あとはとりあえず項目だけ立てておきました。
    ホテルみたいに何かのはずみで判ると良いですね 🙂

  12. Bill McCreary より:

    続けざまのコメント申し訳ございません。「午前十時の映画祭」でこの映画をやっていたので観ました。お恥ずかしい話初見です。

    オードリーよりぐっと年下のアルバート・フィニーが相方であるあたり、オードリーも今までの路線がいよいよ苦しくなってきた年齢だと痛感しますね。で、やっぱり彼女って、欧州が舞台の映画は映えるなあですが、ジャクリーン・ビセットがそんなに大きな役ではなくても出演しているあたりが、ほんと第一線を退く日が刻々と近づいているのを象徴していますね。私はヘプバーンは、オードリーよりキャサリンが好きな人間ですが、やっぱりオードリーには、若くない女性を演じる覚悟はなかったのですかね・・・。オードリーは『卒業』のロビンソン夫人の役の構想にあったようで、実現したら面白かったろうなと思いますが、やっぱりアン・バンクロフトにはかなわなかったろうなと正直思います。そういえば『卒業』でダスティン・ホフマンの父を演じたウィリアム・ダニエルズがけっこう大きな役で出演しているのがなんとも。それからすでにご存じかもですが、夫婦の娘は、『シャレード』の子役の妹だそうです。

    https://www.imdb.com/name/nm0155055/bio?ref_=nm_ov_bio_sm

    それでこの映画のロケ地を私も調査しましたが、残念ながらいい情報がないですね。書籍とかでも確認してみます。公開当時は、日本人はパリなども行くのが大変であり、南仏はかなり高値の花だったわけで、観光映画としても出色の出来かもです。

  13. 居ながらシネマ より:

    Bill McCrearyさん、こちらでもコメントありがとうございます。
    この映画のロケ地はわかりそうでわからないところがいくつか残っていますので、なにか解明できましたらよろしくお願い致します。
    子役については確か『シャレード』を調べた時になにかで知ったような気がしますが、それぞれ出演したきっかけはなんだったのでしょうね。どちらもお医者様になったようで、そういえばふたりとも賢そうな顔をしていたような(と後出し感想)

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