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『おしゃれ泥棒』 How to Steal a Million (1966)

おしゃれ泥棒 [DVD]

作品メモ

『華麗なる相続人』『暗くなるまで待って』と見てきて、オードリー・ヘプバーン出演作をもう1本。

美術品収集家、実は贋作画家を父に持つ娘が、真相を探っていた探偵とともに父親を守ろうと奮闘するコメディ。

ヒロイン、ニコル・ボネにヘプバーン。
ニコルの父親シャルル・ボネにヒュー・グリフィス。
探偵シモン・デルモットにピーター・オトゥール。
シモンに内偵を依頼した美術商ベルナール・ド・ソルネにシャルル・ボワイエ。
アメリカ人の美術品収集家デイヴィス・リーランドにイーライ・ウォラック。IMDbのトリビアによると、この役は最初はジョージ・C・スコットだったのが初日に遅れてきたためワイラー監督に首になったとか。

監督ウィリアム・ワイラー。ヘプバーンとは『ローマの休日』、『噂の二人』に続く3作目。
撮影チャールズ・ラング、音楽ジョニー・ウィリアムズ。

クルマ

おしゃれなニコルのクルマは、IMCDbによれば、Autobianchi(アウトビアンキ) Eden Roc、シモンのクルマは、ジャガーEタイプ シリーズ1 4.2

Photo from Wikipedia (public domain).

その他登場するクルマについては、例によってIMCDbをご覧ください。

http://www.imcdb.org/movie_60522-How-to-Steal-a-Million.html

ロケ地

IMDbでは、

Paris, France
Studios de Boulogne-Billancourt/SFP – 2 Rue de Silly, Boulogne-Billancourt, Hauts-de-Seine, France (studio)

と、これだけです。
あとは画面とにらめっこでチェックしていきました。

冒頭ニコルが車を停めたところ(12/5/29追記)

コメント欄でmilouさんから情報寄せていただきました。
背景はもちろんノートルダム大聖堂で、その南東に架かるアルシュヴェシェ橋(Pont de l’Archevêché)Wの南側のたもと。

※12/7/4 追記
milouさんから画像を提供していただきました。
(いつもありがとうございます♪)
これは間違えられやすい隣の橋、Pont de la Tournelle 。
撮影は1990年とのことです。

ボネとニコルの住まい

とある交差点のそばにある大邸宅。
ニコルをタクシーに乗せた時シモンが住所を言いますが(”38, rue Parmentier”)、そのまんまそこにあったようです。
今は建て替えられてアパルトマンらしき建物になっています。

Google Earthで過去の画像を1949年6月に遡ることができますが、そこでは映画に登場したとおぼしき建物を確認できます。

また、画面左側に一瞬映るレンガ造りの建物は今でも残っていてSVで見ることができます。
横に回ると”OCTROI DE NEUILLY”と標識が出ていますが、辞書によれば、octroiは入市税徴収所とのこと。

美術館・外観

ものものしい警備で美術品が運ばれてきたのは、こちらの中庭。

美術館(カルナヴァレ博物館) カルナヴァレ美術館(Musée Carnavalet)W
23 rue de Sévigné
75003 Paris
http://carnavalet.paris.fr/

この場所はこのあと数シーンに登場します。

※12/5/31追記
映画で入口として使われているのは正規の Rue de Sevigne ではなく、両端に窓のないRue des Francs Bourgeois 側。
(コメント欄参照。milouさん、いつもいつもありがとうございます♪)。

美術館・内部(12/5/29追記)

美術館内部はこちらで撮影されたとのことです。
(あるいはこちらを参考にしてセットが組まれたのかもしれません)

ジャックマール=アンドレ美術館(Musée Jacquemart-André)W
http://www.musee-jacquemart-andre.com/fr/home

シモンが泊まっているところ

セリフにもあるようにリッツ。
ニコルの運転で到着したのはホンモノの玄関口と思われますが、当時は車寄せは中にあったのでしょうか??

※12/7/22追記
NHK BSで12/7/20に放送。
なんと「リッツ」が字幕ではすべて「ホテルR」とイニシャルトークになっていました。
NHKだとこういう固有名詞もダメなのでしょうか??
それなら「Tで朝食を」にしなければ…… 😉

公園

ニコルとシモンが腰を降ろすベンチは、シャンゼリゼ通りWの中央にあるロン・ポワン(Rond-Point des Champs-Élysées)。
おそらく北側、Av.MatignonとAv.Franklin Delano Rooseveltに挟まれたエリア。
背中合わせになっているベンチは今でもある模様。

そのあとブーメランのアイデアを得るところは、そのすぐ東側、マリニー劇場(Théâtre Marigny)Wのある区画。
ブーメラン売りのおじさんがいた噴水は公園のほぼ中央。

http://www.panoramio.com/photo/35805763

背後の建物は、

Restaurant Laurent
http://www.le-laurent.com/

この公園は、3年前の作品『シャレード』でヘプバーンとケーリー・グラントが答えを探し求めて歩いたところですし、『パリで一緒に』で冒頭ヘプバーンが歩いていったところでもあります。

ロケ地マップ

オードリー・ヘプバーン出演作 パリのロケ地

資料

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ヘプバーン出演作

更新履歴

  • 2021/05/25 各マップの埋め込みリンクを更新

コメント

  1. milou より:

    間違いだらけ?

    『シャレード』のHotel St.Jacques に典型的なように
    このブログ以外では、どこを見てもRue des Ecolesだと
    間違って記載されている。
    詳細に見れば変だと気づくはずなのに…
    恐らく得た情報を鵜呑みにして孫引きするからだろう。

    この作品でもトップ近くの赤い車が止まる橋を
    どこを見ても Pont de la Tournelle と書いてある。
    しかしSVを見れば間違いは一目瞭然。
    SVがない頃なら間違いも理解できるが平面の地図でも距離感は分かる。
    正解はもう1つノートルダム寄りのPont de l’Archeveche の南端。
    発進して右折 Quai de Montebello に入るが
    その真下が『シャレード』でアイスクリームを食べる河岸。

    美術館がカルナヴァレ博物館であるのは間違いないが
    映画で入口として使われているのは正規の Rue de Sevigne ではなく。
    両端に窓のないRue des Francs Bourgeois 側である。
    映画では警備員はいるが自由に花壇のある庭園に入れるようだし
    上の写真でも、そちらの門から入ってくるように見える。

    残念ながら行ったことはないが正規の入口から庭園までには
    航空写真で分かるように別の中庭があり恐らくチケットは
    そこで買うと思うが当時と変わったのかもしれない。

    左右対称の花壇の奥には5段ほどの白い階段があり
    アーチ型の入口が3つある。
    正規の門からでは花壇のある中庭には入れないし警察の車は
    左側面から入ってきて正面の階段から館内に入る。

    さてそれこそ、ネットで得た情報だが博物館内部の撮影は別の博物館
    Musee Jacquemart Andre である。階段奥の壁の模様は
    映画の階段下物置の奥の壁とまったく同じ模様なので間違いない。

    http://fr.wikipedia.org/wiki/Fichier:Staircases_in_Mus%C3%A9e_Jacquemart_Andr%C3%A9.jpg

    ニコルの家の内部はスタジオのセットかもしれないが
    室内の石柱など珍しいだろうから
    上記博物館のどこかの部屋の可能性もあるし
    そう書かれた情報もあった。
    ちなみにMusee Carnavalet にあのような石柱はないようだ。

  2. inagara より:

    milouさん、いつもコメントありがとうございます♪

    ウェブの情報は誰でもアップできてコピーも簡単、なので信憑性については注意が必要ですよね。自戒もこめて、気をつけねばと思っています。
    まあブログを職業にしているわけではないので、かえって締切もなくとことん気の済むまで調べられるという良い点もあるわけで、せめて自分の書くものについては丸写しは避けてチェックしてからアップしようと心がけています。
    頼りは映画のビデオとgoogle先生。まさに居ながら居ながら……

    美術館の外観はカルナヴァレ博物館でOKですよね?
    ちょっと自信なかったので確認していただいてほっとしています。
    内部ですが、教えていただいた美術館の画像をしつこく見てみましたが、映画に登場したのとは非常に似ているようで非なるところもあり、やはりスタジオセットにも思えますね……
    ただ様式が似ているとかいうレベルではないので、明らかにその美術館がお役に立っているようですが。
    (いちおう本文は二股表記にしておきました)

    ニコルの家もセットと思いますが、これもおっしゃる通り美術館がお役に立っているように見えますね。
    何より気になるのは、ニコルの家の外観に使われた建物はいったい何だったのかですが、これは根気が続かなくて調べきれませんでした。

  3. milou より:

    やはりスタジオで正解のようですね。
    > 非常に似ているようで非なるところもあり

    以下のブログによれば美術館内部はスタジオセットで
    美術監督のトローネルが映画の内容じゃないが
    ニセモノ絵画の収集に10万ドルもかけたとか…
    http://parisianfields.wordpress.com/2010/11/12/how-to-make-a-surprisingly-enduring-film/

  4. inagara より:

    記事読みました。
    額縁は5万ドルかけてホンモノのアンティックを集めた、というのが可笑しいですね。

    ロケ地情報的には、シモンとニコルが話し合うカフェはリッツで、デイヴィス(イーライ・ウォラック)と会うレストランはマキシムズということでしょうか。確認できたら本文に追記したいと思います。
    情報どうもでした!

  5. milou より:

    またまた交通違反?

    ふと気になってトップのPont de l’Archeveche を
    Google Map で見ると…やはり北行き一方通行。
    ただし映画では3台が北からやってくるが
    いかにものヤラセ映像風。
    手持ちの70年代半ばの地図で調べると
    1つ北のPont St.Louis からのQuai aux Fleurs は
    北行き一方通行だがPont de l’Archeveche には
    マークがないので南行きも可能だったかもしれない。
    ただしそうなればQuai aux Fleurs からではなく
    東行き一方通行のR.du Cloitre Notre Dame を右折
    したことになるが少なくともカットが変わる前の背景
    とは違うようだ。

    いずれにしろ中心部は一方通行だらけで運転しにくい。
    この手のミス(?)はほかの映画でもよくある
    『ディーバ』の有名なバイクチェイスも
    Rue de Rivoli を東進するが実は西行き一方通行。

  6. Pu より:

    初めまして。
    昨日、録画してあった「おしゃれ泥棒」を観て、題名のとおりおしゃれなパリの街並み、ジバンシーの衣装などにため息をついてしまいました。
    そして、ロケ地(特に、ニコルの自宅)がどこなのか、今でも存在しているのか、どこかで調べられないかしら・・・と、探していたらこちらのサイトにたどりつきました。
    いろいろ教えていただけ、とても感動です!ありがとうございました。
    「おしゃれ泥棒」だけでなく、ほかの映画のロケ地情報もいろいろ読ませていただきました。
    本当に、楽しい、素敵なブログですね。
    また、ぜひ、遊びに来させてください。

  7. inagara より:

    Puさん、いらっしゃいませ。
    コメントありがとうございました。
    拙サイトをおほめいただき恐縮です。
    ニコルの自宅はとても気になりますよね。場所はわかったものの、そもそもいったい誰の所有で何に使っていた建物なのか、今のところ全然わかっていません。
    あっさりどこかのサイトに書いてあるのかもしれませんが、あれこれ想像してみるのもまた楽しそうですね。

    サイトは無理しない範囲でぼちぼちやっておりますので、更新されているかどうか、またどうぞ時々確かめにいらしてください。お待ちしております。

  8. milou より:

    ホテルRでしたか?
    以前録画したNHK-BS(稲田嵯裕里訳)ではRホテルで、普通は
    こっちですが…
    実に下らないことだと思いますがNHKは民放にくらべかなりシビアーです。
    昔はクラシックの中継で劇場では無理だがスタジオなどではピアノのYAMAHA
    を黒テープで隠したり。
    だったらプロ野球などプロスポーツ(今ならアマでもユニフォームは宣伝だらけだが)
    の中継やニュースはするな!
    でもある意味民放はもっとひどい。例えばスポンサーの競合相手の商品などが映る場合
    ぼかしを入れる。

    それはさておき、実はNHKの映画放送担当プロデューサーは数名いて
    その人の考えや趣味で基準がゆるくなってきています。
    例えばこの作品ではビンセントやビーナスという表記で基準通り“ヴィ”を避けていますが
    作品によっては使われています。あるいは地名表記にも基準がありロワールではなく
    ロアールなどと表記します。これぐらいなら違和感はないがフランソア・トリュフォー
    なんて出たらびっくりします。
    ついでにこれは雑誌などでもたまに見かけるのが名前の“=”、少なくともNHKでは
    ジャン=リュック・ゴダールではなく ジャン・リュック・ゴダールです。

    ただしタイトルの場合は基本的にそのまま使います。
    でも『気狂いピエロ』が劇場再公開時『ピエロ・ル・フー』に換えられた例もありますが…

    関係ないが少し前、アイドルが歌う「買い物ブギ」をNHK-FMで2種類 聞いたが
    “xxx”の部分を一度は音をカット(違和感はなかった)、
    もう一つはもともと歌詞自体が省略され“わしゃ 聞こえません”だけで
    意味が通らず。微妙な問題だし声高には言いたくはないが何だかねえ…

  9. inagara より:

    milouさん、こんばんは。
    もう一度確かめてみましたが、今回の放送では「ホテルR」でしたよ~。字幕はやはり稲田嵯裕里さんでしたが。連発するとなんだか嵐山光三郎さんみたいです。
    はっきり「リッツ」と聞こえるし、全然イニシャルにする意味がないような。それにイニシャルだとかえって目立ってしまい、逆効果のような気もします。

    外国語固有名詞の日本語表記はどうやっても限度があるのでしょうけど、「フランソア・トリュフォー」はちょっと勘弁してほしいですね。うちのサイトでは難しく考えずにWikipediaの表記に倣うという他力本願モードですが、それとてきちんと適用しているわけではありません。
    「ヘップバーン」とか「ヘプバーン」は平気で混ぜちゃってますし、自分で右上の検索窓を使ってサイト内を検索するときに、書いたはずの記事が出てこなくて焦ることもあります。

  10. Bill McCreary より:

    >ニコルをタクシーに乗せた時シモンが住所を言いますが(”38, rue Parmentier”)、そのまんまそこにあったようです。

    すみません。情報そのものではないのですが、この件にかかわる話ということで。

    最近70年代の大映テレビ制作のいわゆる「大映ドラマ」の「赤いシリーズ」を観ていまして、「赤い疑惑」で、宇津井健、八千草薫(のちに渡辺美佐子)、山口百恵の一家が住んでいる家が、住居表示は出る、、百恵の自転車に住所と名前は書いてあるわ(確かに昔、そういうのあったなと懐かしく思いました)、郵便物に住所は出るわ、白血病の百恵の緊急連絡先にも住所が書いてあるわといった感じで、しかもどうもその住所が、ほんとの住所らしいので、さすがに製作者側の過失ではないと思うので、ロケの条件に、住所も明らかにしてくれくらいの約束があったのかなと思います。あまりに現在とは感覚が違いますが、たぶん当時は、百恵のドラマに我が家がつかわれたんだぜ、という自慢だったのかもですね。いや、もちろん私の単なる想像です。そこまではいわずとも、昔のドラマですと、ロケ先の家なんかかなり簡単に特定されちゃうようなものがありますね。

    >なんと「リッツ」が字幕ではすべて「ホテルR」とイニシャルトークになっていました。
    NHKだとこういう固有名詞もダメなのでしょうか??
    それなら「Tで朝食を」にしなければ……

    百恵の歌に、「真っ赤なポルシェ」が「真っ赤な車」になったとかいう話がありました。映画と歌、ホテル名と車のメーカーではまた話が違いますが、BSでの放送ならそんなにうるさいことをいうほどのこともないと思いますけどね(苦笑)。

    余談ですが、やはり「フランソアーズ・ドルレアック」では私も激怒ですね。私は「ヘプバーン」と表記していますが、「ヘボン式」(ほんまかどうか知りませんが、この人は、キャサリンの親類とか)というくらいで、英語の強いアクセントの発音でしたら「ヘバン」くらいに聞こえるんでしょうかね。日本語の平板な発音では、たぶん「バーン」というところが強調されて発音されるので、英語ネイティヴには「ようわからん」となるのかもです。これは論外の発音ですが、Albert Camusを「カミユ」とフランス人に発音したらさっぱりわかってもらえず、「異邦人」を書いた人、とかわめいてやっと通じました。あくまで「カミュ」ですね。

  11. 居ながらシネマ より:

    Bill McCrearyさん、コメントありがとうございます。
    『赤い疑惑』の住所表示の話面白いですね。共通して同じ住所で、しかも実在する番地ということですよね。<自慢>説も案外ありだったりして 😉
    「ポルシェ」もNHKならさもありなんという感じですが、民放ではダイジョブだったのでしょうか。結構自動車会社のスポンサーが多そうですが。いや、ふつうはそれ以前に作詞家が避けるはずですね……

    あまり関係ありませんが、以前見た日本のドラマで、主役のTシャツにず~っとボカシがかかっていたという、ほぼ放送事故の案件がありました。民放のボカシの件は先のmilouさんの書き込みにもありますが、こちらはニュースの取材映像に入っちゃったので仕方なく消したというのではなく、ドラマですからね……。スポンサーとバッティングしていたからだと思うのですが、なぜスタイリストさんや他のスタッフが事前にチェックしなかったのか謎ですし、ぼかすことで余計目立ってしまうという皮肉もあったりします。そのせいか?ソフトになっていないので、録画はすっかり貴重品です。

    横文字の名前をカタカナにするのはどうやっても正確さからはズレてしまいますが、「フランソア」となるとさすがに閾値越えた感じがしますね。
    拙サイト内の人物表記は基本Wikipediaに揃えるようにしているつもりでしたが、上でも書いたように実際には「ヘップバーン」と「ヘプバーン」が混じってますね。う~む、我ながら気になる……ということで先ほどデータベースの置換でまとめて直してしまいました。後出しでごめんなさい。

    「ヘプバーン」 29ヶ所
    「ヘップバーン」 76ヶ所 ⇒ 「ヘプバーン」に置換

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