目次
作品メモ
前のエントリー『シャレード』に続いて、パリを舞台にしたオードリー・ヘプバーン主演作をもう1本。
両者はほぼ同時期に撮影されています。
『シャレード』はユニバーサル、『パリで一緒に』はパラマウント。
お相手は10年前に『麗しのサブリナ』で共演したウィリアム・ホールデン。
トニー・カーティスやマレーネ・ディートリッヒなど、スターが次々(ちょっとずつ)出てきます。
監督・製作リチャード・クワイン。
ジュリアン・デュヴィヴィエ監督のフランス映画『アンリエットの巴里祭』La Fête à Henriette (1952年)のリメイク。
※2012/9追記
『アンリエットの巴里祭』も記事書きましたので、よろしかったらどうぞ。 → 『アンリエットの巴里祭』
ロケ地
IMDbでは、
Hôtel du Cap, Antibes, Alpes-Maritimes, France(opening scene)
Orly Airport, Orly, Val-de-Marne, France
Studios de Boulogne-Billancourt/SFP – 2 Rue de Silly, Boulogne-Billancourt, Hauts-de-Seine, France (studio)
Tour Eiffel, Champ de Mars, Paris 7, Paris, France
『シャレード』を細かく見過ぎてくたびれてしまったので、こちらのチェックはさらりと。
OP空撮の豪邸
Hôtel du Cap, Antibes, Alpes-Maritimes, France
ホテルの屋上
※16/12/28項目追加
『シャレード』のコメント欄でみつおさんから情報を寄せていただきました。
冒頭に続き、カメラが降りてきてペントハウス風のところでくつろいでいるリチャードをとらえますが、ホテル・ラファエルとのことです。
周辺の風景や画像等からみて、ここで正解と思われます。
情報ありがとうございました♪
公園
オープニングクレジットで、ガブリエルが歩いていくところ。
人形劇をやっていて子供たちが集まっています。
これは『シャレード』や『おしゃれ泥棒』に登場した人形劇と同じ。
具体的な場所は → 『シャレード』
この公園はその後『おしゃれ泥棒』でも登場しています。ちょっと使われすぎ?
この場面、長いこと『シャレード』のもじりだと思っていたのですが、少なくとも撮影時期は『パリで一緒に』が62年の夏で、同年冬の『シャレード』より先。
ただし公開は『シャレード』が先で63年12月、『パリで一緒に』は翌年3月。
ホテル
エレベーターと階段はやはり『シャレード』を連想させます。
外観の場所は調査中。
“Elysee Park”とありますが、該当するものなし。
レストラン
見たことあると思ったら、カトリーヌ・ドヌーブの『昼顔』で登場していました。
ブローニュの森の西側にあるこちら。
La Grande Cascade
http://grandecascade.com/
- Google Maps(SV) (※18/10/20 SV更新)
滝と洞窟
※18/10/20項目追加
0:44
洞窟内はセットでしょうけど、二人がレストランを出て滝の裏側を通るまでは、ブローニュの森のリアルの世界。
お店が« Cascade »というぐらいですから、滝はすぐそばでした。
最後に挙げたロケ地マップに、二人の進路も示しておきました。
- Google Maps(SV) …… « des GROTTES de la VOLUPTÉ »(悦楽の洞窟)の標示があったところ
- Google Maps(SV) …… 実際の滝
- Bing Maps(概観図・東向き)
- WikiMapia ……滝はこの池の東側
- 48.863497,2.241179
- Wikimedia Commons > Category:Artificial_waterfalls_in_Bois_de_Boulogne
The image is available from the United States Library of Congress’s Prints and Photographs division under the digital ID ppmsc.05208 via Wikimedia commons (public domain) |
滝の裏を通る動画↓
競馬場
風車でどこだかわかりますね。
風車は北の端。
上記レストランのすぐ近くなので、実際に馬で走ってこられそう。
スタジオ
※18/10/20項目追加
1:06頃
クルマが入っていくスタジオ。
おそらくIMDbのリストのこちら↓
Studios de Boulogne-Billancourt/SFP – 2 Rue de Silly, Boulogne-Billancourt, Hauts-de-Seine, France (studio)
マップではこの位置↓
現在はCanal FactoryWという名称になっているようです。
……ですが、こちら↓の昔の空撮画像を見る限り、以前は現在東側に集合住宅がいくつも建っている広いエリアもスタジオであったことがわかります(空撮画像は1957年とのことで、カメラ南西向き)。
http://parismuseescollections.paris.fr/fr/musee-carnavalet/oeuvres/vue-aerienne-de-paris-les-studios-de-cinema-de-boulogne-billancourt#infos-principales
おそらく『パリで一緒に』で登場した施設は、こちらのエリアにあったものと思われます。
これ以上は当時のスタジオの画像や資料がないと難しいでしょうか。
Google Earthでも1943年にさかのぼることができますが、ぼやけていて残念ながらいまいち判別不能です……
クルマが入っていったゲートですが、北西側を走る大きな通りよりは、(当時の)スタジオを分断するように南北に走っていたRue de Silly(シリー通り)の方が可能性がありそうです。
マップで言えばこのあたり↓ですが、もちろん面影は全くありません。
エッフェル塔
そのまんまホンモノ。
噴水
花火が上がり噴水が舞うフィナーレ。
これはシャイヨ宮の前の広場だと思います。
ロケ地マップ
オードリー・ヘプバーン出演作 パリのロケ地
資料
関連記事
ヘプバーン出演作
- 『いつも2人で』 Two for the Road (1967)
- 『おしゃれ泥棒』 How to Steal a Million (1966)
- 『シャレード』 Charade (1963)
- 『ティファニーで朝食を』 Breakfast at Tiffany’s (1961)
- 『パリで一緒に』 Paris – When It Sizzles (1964)
- 『パリの恋人』 Funny Face (1957)
- 『噂の二人』 The Children’s Hour (1961)
- 『尼僧物語』 The Nun’s Story (1959)
- 『昼下りの情事』 Love in the Afternoon (1957)
- 『暗くなるまで待って』 Wait Until Dark (1967)
- 『華麗なる相続人』 Bloodline (1979)
- 『麗しのサブリナ』 Sabrina (1954)
更新履歴
- 2021/05/25 各マップと画像のリンクを更新
- 2018/10/20 「レストラン」追記 「滝と洞窟」「スタジオ」項目追加
- 2016/12/28 「ホテルの屋上」項目追加
コメント
いくつもすみません。
この「パリで一緒に」も、洞窟のシーンの前に滝の後ろを通る場面とか、もしロケ地があるなら教えていただきたい…と思います(ブローニュの森かな?)。
それと!実際にブローニュのスタジオに入っていくシーンもありますが、おそらくセット撮影などはブローニュ撮影所だと思いますので、その場所なども有れば…と思います。
オードリーの映画でパリが舞台のものは、ほとんどブローニュスタジオらしいです(「いつも2人で」含む)。
それとパリで撮影時のオードリーの定宿がホテル・ラファエルですが、たしか「パリの恋人」にも出てましたよね。
何かとオードリーと縁のあるホテルです。
みつおさん、洞窟の前の滝はセットではなくホンモノっぽいですね。
私も気になってきましたので調べてみようと思います。
みつおさん、滝とスタジオを追加しました。
スタジオは、何か昔の画像や資料が無い限り、これ以上チェックするのは難しいかもしれませんね。
おおっ!inagaraさん!
めっちゃ速い更新、ありがとうございます!
この映画の滝の裏側を歩くシーンを見てから、滝の裏を歩くのがずっと憧れになってました。
有馬温泉に人工の滝の裏を歩けるのですが、やっぱり歩いてしまいました(^_^;)
それとブローニュスタジオ!
本当にinagaraさんのサイトを見ながらロケ地巡りしたくなりますね!(*´ー`*)
映画、癒しのサブリナ、パリで一緒にDVDを観て、ウイリアムホルデン、オードリーヘップバーンのファンになりました。癒しのサブリナで二人は、恋愛関係になりオードリーヘップバーンは、結婚して子どもが欲しいと言ったとか、ウイリアムホルデンは、既婚者で子どもが出きない用にした事を言った、オードリーヘップバーンは、別れる事に。何だか切ないです、10年後にパリで一緒で二人が出演とても楽しみにしてました、この映画DVDを観ました、ロマンス物では、無かった期待はずれでした。
江美子さん、コメントありがとうございます。
『パリで一緒に』は設定や表現がひとひねりしてあり、そのあたりで好みが分かれるかもしれませんね。
元の『アンリエットの巴里祭』と異なり、『パリで一緒に』では主演が現実世界と劇中劇でほぼ出ずっぱりとなり、人気俳優をキャスティングしたロマコメとしては正しいアレンジなのかもしれませんが、オリジナルでは脚本家のオヤジたちが絶品だったので、そのあたりが出てこなかったため作品全体にコクといいますか風味がちょっと物足りなく感じられてしまったかもしれません。