目次
作品メモ
1944年6月6日の連合軍によるノルマンディ上陸作戦Wを描いた戦争大作。
70年後の6月6日、NHK BSプレミアムで放送されたのを録画鑑賞。
よくリマスターされていて、モノクロ映画の情報量にびっくり。
合成シーンもそれとはっきりわかります。アナログ放送時代では気づかなかったのに……。
原作は、『遙かなる橋』(『遠すぎた橋』の原作)と並ぶコーネリアス・ライアンの代表作。
多くの生存者にインタビューを行い、両軍の動きから一兵卒、一村人に至るまで、その作戦に関わった人々の出来事を活写、膨大な資料を手際良く整理しながら、立体的に「最も長い日」を再構成しています。
それを7.75ミリオン米ドルかけて映画化したこの作品。
原作同様多くの人物が出入りし、あちこちで様々な出来事が起きるわけですが、シナリオや編集が良いのかとてもうまく整理されていて、原作の雰囲気をきちんと伝えているように思います。
監督は、アメリカのパートはアンドリュー・マートン、イギリスはケン・アナキン、ドイツはベルンハルト・ヴィッキがそれぞれ担当。
アメリカ製の戦争映画にありがちな敵も味方も英語をしゃべる作りではなく、登場人物がみなその国の言葉を話していますので、大きく混乱することはありません。
これは『遠すぎた橋』も同様でしたね。
どこを切り取ってもおなじみの俳優が登場するオールスターキャストのこの映画。
クレジットはアルファベット順となっていますが、ジョン・ウェインだけは順番を飛ばして最後に”and John Wayne”となっていて、明らかに特別扱いとなっています。
製作ダリル・F・ザナック、撮影(アカデミー賞受賞)ジャン・ブールゴワン、ワルター・ウォティッツ、音楽モーリス・ジャール。
有名なテーマ曲はポール・アンカ作。レンジャー部隊員として出演もしています。
こちら↓はちょっと珍しいサントラ集。
ロケ地
IMDbでは、
Chateau de Chantilly, Chantilly, Oise, France (Kommandantur scenes)
Cyprus
Sainte-Mere-Eglise, Manche, France (parachutists landing in the village)
Calvados, France
Fox Boulogne Studios, Boulogne-Billancourt, Hauts-de-Seine, France (studio)
France
La Rochelle, Charente-Maritime, France
Ouistreham, Calvados, France
Plage de Saleccia, Saint-Florent, Haute-Corse, France
Port-en-Bessin-Huppain, Calvados, France
Ile de Re, Charente-Maritime, France (as Omaha beach)
Benouville, Calvados, France (Pegasus bridge scene)
Rivedoux, Ile de Re, Charente-Maritime, France (mayor celebrating with a champagne bottle)
La Pointe du Hoc, Calvados, France
Orne, France
Plage de Lotu, Saint-Florent, Haute-Corse, France
著名な映画ですのでおそらくどこかでロケ地情報がまとめられていることとは思いますが、ここでは例によってIMDbのリストとウェブマップを頼りに、映像とにらめっこで探してみました。
答え合わせはしていませんので、間違っていたらごめんなさい。間違いのご指摘大歓迎です。
同じ原作者の『遠すぎた橋』に比べて、史実通りの場所での撮影が多いように思えます。
最後に史実も併せてロケ地マップを作ってみましたので、ご利用ください。
またやたら多い登場人物も、できる範囲で整理と説明を加えてみました。
海沿いの民家
0:01。
フランス人の住人が2階の窓を開け、ドイツ兵の陰口をたたくところ。
1:44に再登場。艦砲射撃の中うれしそうにトリコロールを振り回します。
Wikimedia Commonsに画像がありました。
場所もマップでうろうろして見つけることができSVでも確認できたのですが、普通の個人宅と思われますので、ここでは略(だいたい「オマハ・ビーチ」の近くです)。
馬に乗ったドイツ兵が海岸に向って行くのを背後からとらえたショットも同じ場所で撮影されています。そのショットで左手奥に見える建物も現存。
この住人、役名はルイで、演じたのはフェルナン・ルドゥー。当サイト的には『恋ひとすじに』でのロミー・シュナイダーの父親役、『ロバと王女』の赤の国の王様。
一緒にいた女性は奥さんではなくメイドのようで、演じていたのは、ポーリーヌ・カルトン。
ドイツ軍軍曹は、『007』のゴールドフィンガーでおなじみ、ゲルト・フレーベ。当サイト的には、『華麗なる相続人』の刑事。
このエピソードは原作でも登場しますが、名前は変えられています。
ドイツ軍の行進
0:02。
閲兵しているのはルントシュテット元帥(FIELD MARSHAL VON RUNDSTEDT)。
右後ろに控えているのがブルメントリット少将(クルト・ユルゲンス Curd Jurgens)。
合成された背景は場所不明。
橋
0:02。
レジスタンスのジャニーヌが自転車でやってきたところ。
その後(0:52頃)イギリス軍グライダー部隊が降下して占拠。
さらにその後(2:17)バグパイプの調べとともにやってきた英上陸軍と合流(バグパイプについては後述)。
海岸同様Dデイのシンボル的場所で、史実と同じ場所で撮影されています。
Pegasus Bridge(ペガサス橋)W, Benouville, Calvados, France
マップでは一目瞭然、海岸から上陸して東へ進もうとするとまず通らなくてはならない橋であり、連合軍にとって重要拠点であることがわかります。
もともとコミューン名からBénouville Bridgeと呼ばれていたのが、この作戦後に英空挺部隊の紋章にちなんで「ペガサス橋」と命名されたとのこと。
橋は1944年当時はこういった形でした。
撮影時もこの状態のはずで、1994年に現在のものに架け替えられているとのこと。
昔の橋は現在すぐ近くのPegasus Memorialに展示されています。
ジャニーヌの最初のショットで背景に写っている建物はこちらのカフェ。
Pegasus Bridge Cafe Gondree
ジャニーヌ(・ボワタール)は原作でも登場しますので実在の人物と思われます。
演じたイリナ・デミック(Irina Demick)は、日本語版Wikipediaではこれが映画デビューとされていますが、その前にフランス映画に出演しています。
サン・メール・エグリーズ
0:03。
ドイツ軍が駐屯している町。
後ほど(1:20頃)アメリカ軍空挺部隊が町の教会付近に降下してきて、ドイツ軍に狙い撃ちされます。
こちらも史実と同じ場所で撮影。
Sainte-Mere-EgliseW, Manche, France (parachutists landing in the village)
“Eglise”とありますが、教会を示しているのではなく、”Sainte-Mere-Eglise”全体でコミューン名となっているようです。天王寺や吉祥寺みたいなものでしょうか(違うか……)。
最初のショットはこういったアングル↓
引き立てられるレジスタンスたちを無念そうに見つめるルノー町長が立っていたのはこのあたり↓
町長を演じていたのは、ジョルジュ・ウィルソン。当サイト的には『かくも長き不在』の記憶を喪った男。
教会に引っかかったレッド・バトンズ演じる空挺部隊員がなすすべもなく惨状を目の当たりにする場面は、子供の頃テレビで見て記憶に焼き付けられたものです。
ジョン・スティール(John Steele)Wは実名で、教会にぶら下がっていたエピソードも実話。映画では「10時間」と言っていますが、実際には2時間ぶら下がった後に捕虜となり、後に脱出してアメリカ軍に戻ったとのこと。
モニュメントができていて、今でもこうしてぶら下がっています。
未確認ですが、これは映画でこのエピソードが有名となったので作られたものでしょうか。
少なくとも映画の中でこの部分がアップになった際には見当たりません(当たり前??)。
なおレッド・バトンズは当サイト的には『サヨナラ』や『ひとりぼっちの青春』でチェック済み。
教会
0:03。
ルイ・ルーラン神父(ジャン=ルイ・バロー)が人々を勇気づける場面。
設定では、上記Sainte-Mere-Egliseの教会ということでしょうか?
実際にその教会内部で撮影されたのかは不明。
ルーラン神父やルノー町長は原作でもこの名前で登場しますが、説法の場面は映画のオリジナル。
ここでのジャン=ルイ・バローはさすがの存在感でした。
聴衆のひとりで、後ほど(1:12)庭先に降りてきた空挺部隊員に「シー」とされる女性は、『天井桟敷の人々』でジャン=ルイ・バロー演じるバチストが恋い焦がれたガランス役のアルレッティ。
役名はマダム・バロー(Madame Barrault)っていったい……。
原作でこの人物に相当するのは「アンドレ・レヴロー夫人」ですので、映画ではわざとこの名前に変えたのでしょうか。
なおホンモノの「バロー夫人」であるマドレーヌ・ルノーも後ほど別の場所で登場します(笑)。
海岸
ドイツ軍が待ち構える海岸線。
砲門が並ぶ崖の上で軍犬とたわむれる352沿岸砲兵師団プルスカット少佐(MAJOR WERBER PLUSKAT, ハンス・クリスチャン・ブレヒ)は、後ほど(1:42)水平線を埋め尽くす無数の艦影に目を丸くした男。
その時の電話の相手、いつもカップ片手の上官オッカー中佐は、ペーター・ファン・アイク。当サイト的には『寒い国から帰ったスパイ』の東独の要人。
0:06。
合成感たっぷりの海岸をバックにロンメル元帥(FELDMARSCHALL ERWIN ROMMEL、ヴェルナー・ヒンツ)たちが登場。原作では扉に引用されているロンメルのセリフで、ようやくメインタイトル、”THE LONGEST DAY”となります。
この映画、史実通りノルマンディの海岸線でも撮影されているようですが、オマハビーチの激しい攻防戦は別の場所で撮影されているようです(後述)。
海岸の判定は難しいため、個別のショットがどこで撮影されたかまでは追究しませんでした。
ドイツ西部軍司令部
0:06。
ブルメントリット少将(クルト・ユルゲンス)が車でやってきたところ。
撮影場所不明。
この場所と次の情報部、さらにロンメルのいた城は全部別の場所。
陸軍情報部
0:06。
丸い細縁メガネのマイヤー大佐(ハインツ・シュピッツナー)が暗号を解読するところ。
この俳優さん、IMDbで見ると真っ先にドイツ映画の『橋』(’59)が挙げられています。監督のひとりベルンハルト・ヴィッキの作品ですね。
これもテレビで見てとても印象に残っている戦争映画なので、次のエントリーあたりでとりあげてみようかと思案中。
※2014/07/08追記
エントリー書きましたのでよろしかったらどうぞ → 『橋』 Die Brücke (1959)
ロンメルが居た城
史実では、この時ロンメルが使っていたのはこちらのお城。
実際の撮影は、IMDbのリストにあるこちら。
Chateau de Chantilly(シャンティイ城)W, Chantilly, Oise, France (Kommandantur scenes)
元帥が歩き回った回廊と中庭↓
0:31。
元帥が車で出ていったのはこちらから。
このお城、当サイトでは『いつも2人で』でチェック済み。
イングランド連合軍キャンプ
0:10。
“ENGLAND ONE OF 1108 ALLIED CAMPS”
背景に特徴的なビルが見えますが、撮影場所不明。
この場面、米英のキャラが次々登場して忙しいです。
車でやってきたのはトム・ニュートン大佐(エディ・アルバート)。『華麗な探偵ピート&マック』のコンビ、ロバート・ワグナーもきっと待機している兵士たちの中にいるはずですが、ここでは登場しなかった模様。
最初にテロップが出る重要人物は米第82空挺師団バンダーボルト中佐(COLONEL BENJAMIN BANDERVOORT、 ジョン・ウェイン)。
部下3人はテロップが出ませんが、出撃したくてうずうずしている屈強な男がトム・トライオン。
それを中佐に伝えたのが、スティーブ・フォレストで、もうひとりアゴが割れているのが、スチュアート・ホイットマン。
ニュートン大佐を迎え入れたのが、アメリカ陸軍第29師団コータ准将(GENERAL NORMAN COTA、ロバート・ミッチャム)。後ほどオマハ・ビーチで凄絶な戦闘を指揮します。
その他の待機中の兵士は……
眠れないと悩んでいたのは米レンジャー部隊員役のファビアン。
「ハッチー」と呼ばれた英軍兵士は、バーナード・フォックス(クレジットなし)。当サイト的には『刑事コロンボ/ロンドンの傘』のスコットランドヤードの刑事。
船酔いでぐったりしていた米軍のメガネの男はロディ・マクドウォール。当サイト的には『ヘルハウス』。
彼に話しかけてきたのは、マーク・ダモン。
空挺師団、賭博で大勝ちしたシュルツ一等兵に、リチャード・ベイマー。『ウエストサイド物語』のトニーですね。博打はクラップス(craps)W。
その隣で一緒に盛り上がっていたのは、前述ジョン・スティール一等兵(レッド・バトンズ)。
大勝ちしたシュルツに話しかけてきたのは、マティーニ一等兵(サル・ミネオ)。
その後敵陣深く舞い降りた3人は、それぞれ別の運命をたどることになります。
英空軍将校キャンベル(FLIGHT OFFICER DAVID CAMPBELL)に、リチャード・バートン。
彼に話しかけてきた同僚のパイロットに、ドナルド・ヒューストン。
米第82空挺師団ギャビン准将(GENERAL JAMES GAVIN)にロバート・ライアン。
英空軍気象部スタッグ大佐(GROUP CAPTAIN J.N.STAGG)にパトリック・バー(クレジットなし)。
0:37頃、いよいよゴーサインが出たときに登場するのが、英軍コマンド部隊ロバット卿(LORD LOVAT)のピーター・ローフォード。
米陸軍第4師団バートン将軍(GENERAL RAYMOND BARTON)のエドモンド・オブライエン。当サイト的には、『ミクロの決死圏』や『Stopover Tokyo』。
コルビルのレノー町長
0:41。
ラジオを聞いて有頂天となる町長。
後に「ソード・ビーチ」に上陸した英コマンド部隊の前でシャンペンを開けるキャラで、演じたのはブールヴィルW。
Colleville-sur-Orneは、現在のColleville-Montgomery(コルヴィル・モンゴメリ)W。
映画では登場しませんが、場所はこちら。
なお原作でもコルヴィルの町長は真鍮のヘルメットをかぶって海岸まで連合軍を出迎えますが、シャンパンを開けて飲むのは映画のオリジナル(笑)。
艦隊
0:46。
アメリカ駆逐艦艦長に、ロッド・スタイガー。
初対面の相手に妻のことをあれこれ話していたフラー軍曹に、ジェフリー・ハンター。
0:50。
船上から空挺部隊の大編隊を見上げていたのは、アメリカ軍レンジャー部隊。
中心がロバート・ワグナーで、その手前、トミー・サンズ(左側)に「ベートーヴェンの運命を知らないのか」と呆れられていたのが、テーマ曲を書いたポール・アンカ(右側)。その真後ろに、前述のファビアン。……ということで、歌手及び歌手経験者が3人もいる部隊です。
ロバート・ワグナーの後ろで顔が少し隠れているのがおそらくジョージ・シーガルで、前年に映画デビューしたばかり。
「点3つと棒」は史実ですが、レンジャー部隊のやりとりはおそらく映画のオリジナル。
1:35。
陸軍第4師団ルーズベルト准将(GENERAL THEODORE ROOSEVELT、ヘンリー・フォンダ)。セリフでもあるように、あの大統領のジュニア。
フランス・コマンド部隊キーフエ部隊長(COMMANDANT PHILIPE KIEFFER、クリスチャン・マルカン)が示したカジノのある港町の模型は、後でわかりますがOuistreham(ウィストレアム)。
グライダー部隊
0:51。
イギリス第6空挺師団ハワード少佐(MAJOR JOHN HOWARD)に、実際に空挺部隊員としてノルマンディ上陸作戦に参加したことのあるリチャード・トッド。
脳裏で反芻される命令は、”Hold until relieved.”。
前述のように橋を確保し、上陸部隊が来るまで持ちこたえることが使命です。
緊張してヘルメットの紐を締められなかったのが、ハロルド・グッドウィン。
手伝ったのが、フランク・フィンレー。
鉄橋
1:05。
単線が走るトラス型の鉄橋。
レジスタンスたちが付近で列車転覆を謀ります。
その前の駅とともに、撮影場所不明。
オマハ・ビーチ
1:48。
『プライベート・ライアン』同様、熾烈な上陸戦が描かれます。もちろんCG無し。
IMDbによると撮影はこちらで行われたとのこと。
Ile de Re (イル・ド・レ)W, Charente-Maritime, France (as Omaha beach)
「オマハ・ビーチ」はもちろんコードネームで、実際はノルマンディの海岸のこのあたり。
こちらにミュージアムがあります。
Omaha Beach Memorial Museum
http://www.musee-memorial-omaha.com/
先頭に立ち兵士たちを鼓舞するノーマン・コータ准将にロバート・ミッチャム。
准将の右腕トンプソン大尉にエディ・アルバート。
銃を落とした新兵にピーター・ヘルム。
コータ准将によってその場で少尉に昇進したのは、移動中の艦艇で見知らぬ兵士に妻のことを語っていたフラー軍曹(ジェフリー・ハンター)。爆薬筒で敵陣の攻略を試みますが……
ユタ・ビーチ
1:54。
撮影場所は不明。
こちらももちろんコードネームで、史実ではこのあたり。
こちらはメモリアル。
映画では、ヘンリー・フォンダ演じるルーズベルト准将が志願して陣頭指揮を執ります。
メガネをかけたら弾が当たってびっくりしたのは、待機中ぐったりしていたロディ・マクドウォール。
隣でこときれていた軍曹は、不明。
ゴールド・ジュノ・ビーチ
1:57。
これももちろんコードネームで、「ゴールド・ビーチ」とその東側の「ジュノ・ビーチ」ふたつあわせての表現。
ゴールド・ビーチはこのあたり。
ジュノ・ビーチはそのすぐ東側。
ドイツ軍パイロットがたった2機で一矢むくいる場面。
ワンショットで撮った俯瞰映像が凄いです。
このパイロットは実在の人物ヨーゼフ・プリラーWで、この映画の軍事コンサルタントとしてもクレジットされていますが、公開前の61年に亡くなっています。
豪快に演じたのはハインツ・ラインケ。
ソード・ビーチ
1:58。
イギリス軍が上陸したのは、ジュノ・ビーチのさらに東側の「ソード・ビーチ」。
史実ではこの位置。
こちらにモニュメントがあります。
コマンド部隊を率いるのは、白いタートル姿のロバット卿(LORD LOVAT、ピーター・ローフォード)。
ショーン・コネリーが一兵卒フラナガン役で登場。
007シリーズ第1作『ドクター・ノー』の撮影が控えていて、スケジュールはタイトだったとか。この映画にのべ何人出演しているか知りませんが、大声で名乗りを上げたのはこの役だけではないでしょうか。
一緒にいたのは、ノーマン・ロッシントン。
犬を連れた髭のモード中佐役にケネス・モア。
無線を借りようとした従軍記者ともう1人は誰だかわかりませんでした。
エンジンがかからなくて困ってたのは、マイケル・メドウィン。
2:03、町長がやってきてシャンパンを開けますが、IMDbのリストではこうなっています。
Rivedoux, Ile de Re, Charente-Maritime, France (mayor celebrating with a champagne bottle)
でも具体的な場所までは特定できませんでした。
浜辺の建物はセットかもしれません。
バグパイプ
いよいよ上陸する場面とその後の橋でグライダー部隊と合流する場面で流れるバグパイプはこちらの曲。
橋の場面で(字幕では出ませんが)”Black Bear”と奏者みずからタイトルを言っています。
この奏者、役名Bill Millin – Piper on Beachは実在の人物。 → Bill MillinW
2010年に亡くなっていますが、昨年(2013年)「ソード・ビーチ」に銅像ができました。
できたばかりということでウェブマップで探すのに苦労しましたが、いろいろな画像からおそらくこちらの駐車場の角と推定されます。
SVやWikimapiaではまだ記録されていません。
演じていた細身の口髭の人は、Leslie de Laspee という人で(クレジットなし)、初代Piper to the Queen MotherW
本職の方で、映画出演はこれ1本。
こちら↓に画像がありました。
- http://www.bagpipejourney.com/articles/queenmother-pipers.shtml
※17/1/4追記
最近のSVで銅像が確認できました。
- Google Maps(SV) ……2016年5月
オック岬
2:06。
砲台を制するためアメリカ軍レンジャー部隊が崖をよじ登り攻略したところ。
史実と同じ場所で撮影。
- Google Maps(SV) ……上陸ポイント
- Google Maps(SV) ……モニュメント
- WikiMapia
ここで活躍するのが、艦上から大編隊を見上げていたレンジャー部隊。
ウィストレアム
祖国解放のためフランス・コマンド部隊が攻撃するカジノのある港町。
キーフエ部隊長(COMMANDANT PHILIPE KIEFFER)にクリスチャン・マルカン。
1:37頃にまず模型で登場、
2:23の作戦室の場面でようやく地名がわかり、現地の戦闘場面となります。
OuistrehamW, Calvados, France
実際の場所は「ソード・ビーチ」の東端↓
撮影は同じ海岸線ですが別の場所。
ずっと西寄り、「オマハ」と「ゴールド」の中間あたりのこちら。
Port en Bessin HuppainW, Calvados, France
フランス兵がわらわらと出てきたのはこちらの角から。
ここから驚くべきワンショットの空撮が始まります。
“BAZAR DE OUISTREHAM”と書かれていた建物も今でも残っています。
文字が不明瞭なのは、擬装が剥げてきてオリジナルの文字が出てきたからでしょうか。
こちらはオリジナルの姿。
“BAZAR DE PORT-en-BESSIN”と書かれていたことがわかります。
小さい教会はここに建っていたはずですが、セットだったでしょうか。
橋(セット)を渡って反対側へ。
フランス軍が身を寄せた4階建ての建物はもうありません。おそらくセット。
ドイツ軍が陣取っていたカジノがあったのはここ。これもセット。
砲弾をものともせずに尼僧たちが整然とやってきた坂道はこちら。
この修道院長役はマドレーヌ・ルノーで、こちらがホンモノの「バロー夫人」。
フランス軍は背後の高台にある昔の砦からカジノのドイツ軍に銃撃を加えますが、これは1694年に建てられたものとのこと。
納屋
イギリス空軍のキャンベル(リチャード・バートン)とアメリカ空挺部隊シュルツ(リチャード・ベイマー)。
この場面は映画のオリジナルでしょうか。
これまで戦友を次々失いながら死地をくぐり抜けてきた(という設定の)リチャード・バートン、どこで活躍するのかと思いきやこういった登場の仕方とは。
単にオマハ・ビーチの攻略で終わっていたら、映画の印象はだいぶ違ったものになったかもしれません。
安全ピンのエピソードは、原作ではオマハビーチでの他の人物のもの。
ロケ地マップ
いつもの黄色いピンの他、史実の赤いピンも付けてみました。
より大きな地図で 史上最大の作戦 を表示
資料
更新履歴
- 2017/01/04 PicasaウェブアルバムへのリンクをGoogleアルバムアーカイブへ変更 「バグパイプ」のSVを追記
- 2014/07/08 「陸軍情報部」で『橋』へのリンクを追加。
コメント
この映画の中で、印象的なのが、ドイツ軍のプリラー少佐、ハインツ・ラインケの弾けた演技と、ハンス・クリスチャン・ブリッヒのプルスカット少佐の登場シーンです。
特に二人共偶然、後にレマゲン鉄橋に出るずっと前で、若くてイキが良かったです。そう、ペーター・ファン・アイクも出てますが。上陸作戦の大船団を発見したプルスカット少佐は、艦砲射撃を受けてボロボロで、戻りのキューベルワーゲンも空襲されて、またまたボロボロになって泥まみれのズタボロに。彼にとってもさんざんな長い日になったようです。ブリッヒはバルジ大作戦でも同じように偵察機に追い回されて酷い目に会うのです。
たかマックィーンさん、コメントありがとうございます。
この映画、出演俳優が多すぎてひとりあたりの持ち時間?がどうしても短くなりますが、無数の艦影とプルスカット少佐の瞳孔が開ききったびっくり顔は、やはり印象に残りますよね。
『レマゲン鉄橋』ちょっと見返してみましたが、ハンス・クリスチャン・ブレヒは10年も経っていないのにえらく老けたように見えます。その後おっしゃる通りくりかえし激戦をくぐり抜けてきたのが顔に出てしまったのでしょうか^^;?