目次
作品メモ
『シェルブールの雨傘』のジャック・ドゥミ監督とミシェル・ルグランがふたたび送るミュージカル。
脚本もジャック・ドゥミ、撮影ギスラン・クロケ。
英題”The Young Girls of Rochefort”
出演は、カトリーヌ・ドヌーヴ、フランソワーズ・ドルレアックの姉妹の他、ジョージ・チャキリス、ジーン・ケリー、ジャック・ペラン、ダニエル・ダリュー、ミシェル・ピッコリと豪華。
特にジーン・ケリーとミシェル・ピッコリの場面はそれだけでぞくぞくっとします。
旧盤DVDは長らくプレミアとなっていましたが、2009年7月に『シェルブール~』とともにデジタルリマスター版DVDが登場。 [1]欧米は以前からリマスター版だったようです。
それに先だち2009年1月には「『シェルブールの雨傘』製作45周年記念」と称して「シェルブール」と「ロシュフォール」が劇場公開されました。
いつまであるかわかりませんが、オフィシャルサイトはこちら。 → http://demy.jp/
こちらはアメリカ盤とフランス盤。
アメリカ盤のジャケットにはジーン・ケリーも加わっています。
※12/7/17追記(14/9/2追記)
当サイトでとりあげたジャック・ドゥミ監督作(年代逆順)。
- 『想い出のマルセイユ』 Trois places pour le 26 (1988)
- 『ベルサイユのばら』 Lady Oscar (1979)
- 『モン・パリ』 L’evenement le plus important depuis que l’homme a marche sur la Lune (1973)
- 『ロバと王女』 Peau d’ane (1970)
- 『ロシュフォールの恋人たち』 Les demoiselles de Rochefort (1967)
- 『シェルブールの雨傘』 Les parapluies de Cherbourg (1964)
- 『天使の入江』 La Baie des Anges (1963)
- 『ローラ』 Lola (1961)
※14/5/29追記
『ローラ』『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』の関連についてmilouさんが詳しく解析されていますので、ぜひこちらをご覧ください。
ロケ地
IMDbでは
Rochefort, Charente-Maritime, France
タイトル通り、フランス南西部、大西洋に近い町ロシュフォールがそのまま撮影地となっています。
オフィシャルサイトには、この映画についての記事や映像がアップされています。
http://www.ville-rochefort.fr/decouvrir/demoiselles
※14/5/30追記
市内でストリートビューが利用できるようになっていたので、より詳しくチェックしてみました。
橋
ジョージ・チャキリス一行とともに観客をロシュフォールの町にいざなう運搬橋。
はじめと終わりに登場します。
Pont Transbordeur de Rochefort
Photo from Wikimedia Commons (public domain).
ウェブマップ見て気づきましたが、この橋から町に至る道には、ジャック・ドゥミ通り Avenue Jaques Demy と名前がつけられていますね 😉
海軍の白い建物
ジャック・ペラン演じる水兵マクサンスが立っていたところ。
- Google Maps(SV) ……14/5/30追記
- WikiMapia
広場
主な舞台となる広場。
コルベール広場 Place Colbert
位置関係が最初はわかりづらいですが、最初にど~んと映るショットは北向き。
東側には噴水があり、Google Earthでは3Dデータがアップされています。
http://sketchup.google.com/3dwarehouse/details?mid=553e47f9da6fb5df1e84ce6316fdbf54
姉妹の部屋はその反対側(西側)の建物。
カフェは広場の北西。
広場に着くなり、ジョージ・チャキリスがウェストサイドばりのステップを披露するところはお気に入りの場面のひとつ。
もうひとりのビル役の人(グローヴァー・デイル)も格好よく、映画出演作が少なめなのが惜しまれます。
ダンスが終わると、クール・ダウンするかのようにすーっと移動して、ワンカットで姉妹の部屋に入っていくカメラワークがまた冴えていました。
※14/5/30追記
姉妹の部屋は、リアルでは市庁舎でした。
現在のSVで見る限り、広場中央の池はなくなっているようです。
カフェがあった場所も痕跡が見当たりませんが、広場の南北両端にはしっかりカフェがあるようですね。
学校(14/5/30追記)
021、0:43、1:21頃。
L字型の道路構成が特徴的でしたので、場所がわかりました。
リアルでも学校となるとマップで明示していいものかどうか迷うところですが、そういう雰囲気ではない建物なので、あくまで「学校の前の通り」ということで書いてしまいますと……
- Google Maps(SV) ……父兄が待っているアングル
- WikiMapia
学校に向って左手の建物はもうありません。
通りを行くデルフィーヌ(14/5/30追記)
スタート地点はここ。
そのまま通りを西へ。
ここで横断。街灯は作り替えられていますね。
そしてこちらのギョームのギャラリーに入ります。
デルフィーヌの動きはこの記事最後の「ロケ地マップ」にも載せておきました。
その後ワケあり紳士が兵士の隊列を見るのはこういったアングル。
ピアノ店(14/5/30追記)
0:36 1:22等。
シモン・ダムのお店。
映画とはだいぶ雰囲気が違っていますが、こちらでしょうか。
アンディ登場(14/5/30追記)
0:44、ソランジュとアンディが出会うところ。
上記学校前と同じですが、背後の黄色いお店はセット。
実際にはこういったところ。
その後アンディが歌と踊りを披露して、颯爽と車で去って行くのは、その通りの先。
アンディの車は1963年式MG B SportsW。
……ってこれは例によってIMCDbの受け売り。
事件現場(14/5/30追記)
1:17。
その後マクサンスとソランジュが歩いて行くのはこちら。
マクサンスとアンディとデラフィーヌ(14/5/30追記)
1:19。
ソランジュと別れたマクサンスにアンディが道を訊くのは、ぴょんとワープしてこちら。
マクサンスと別れたアンディにデラフィーヌが激しく突っ込んでくるのは、同じ場所。
背後の建物(あるいは塀)は今では減築かセットバックされているようです。
ロケ地マップ
ロシュフォールを中心に(12/7/17追記)。
より大きな地図で ジャック・ドゥミ監督作品 を表示
資料
関連記事
ジャック・ドゥミ監督作
- 『エヴァの匂い』 Eva (1962)
- 『シェルブールの雨傘』 Les parapluies de Cherbourg (1964)
- 『ベルサイユのばら』 Lady Oscar (1979)
- 『モン・パリ』 L’événement le plus important depuis que l’homme a marché sur la Lune (1973)
- 『ロシュフォールの恋人たち』 Les demoiselles de Rochefort (1967)
- 『ロバと王女』 Peau d’âne (1970)
- 『ローラ』 Lola (1961)
- 『天使の入江』 La Baie des Anges (1963)
- 『想い出のマルセイユ』 Trois places pour le 26 (1988)
更新履歴
- 2014/09/02 「当サイトでとりあげたジャック・ドゥミ監督作」追記
- 2014/06/04 タグ「ジャック・ドゥミ」追加。関連記事「ジャック・ドゥミ監督作」追加。
- 2014/05/30 SVが利用できるようになっていたので大幅に追記。
- 2014/05/29 三部作の関連が解析されている『シェルブールの雨傘』コメントへのリンク追加。
References
↑1 | 欧米は以前からリマスター版だったようです。 |
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コメント
高校生、何と無く入った映画館でしていたのがシェルブールの雨傘でした。
セリフの無いミュージカルでビックリし、でも映画館を出る時にはカトリーヌドヌーヴの
大ファンになってました。お姉さんのフランソワーズ ドルレアックを知り、二人が共演
したロシュホールの恋人達を見ました。大好きなチャキリスも出てて嬉しかったです。
フランソワーズが事故死した事はショックでした。だからこの映画をみると姉妹が幸せ
だった時が見られて嬉しいです。
ずっとロシュホール、シェルブールを訪れたかったのですがー中々チャンスが無くて、
50年近く経ちました。このページを見られて良かったです。ロシュホールの町を味えました。
mihoさん、いらっしゃいませ、コメントありがとうございます。
長い間これらの映画を楽しまれてきたのですね。
あちこちの撮影場所をつぎはぎしているのではなく、ひとつの町でどっしり構えて撮影しているので、ロシュフォールもシェルブールも町そのものが映画と一体化しているような印象があります。
もちろん実際に旅行できればそれに越したことはないのでしょうけど、こんな風にウェブマップを通して仮想的に町の中を見るだけで、映画の世界や撮影中の様子までもが再現されるような気持ちになってしまいます。
さらには、名画座でこれらの映画に浸っていた頃の気分もふと甦ったりして。
これも映画の魔法なのでしょうね。
ご無沙汰です。昨年は引っ越しとか色々あってロケ地チェックとかも全然やってなかったが来月からヒマになるので挑戦を再開したいと思います。
そういうわけで新たなロケ地情報ではないが、見直す機会があり気付いたことを1つだけ。
ストリートビューで事件現場となったローラ・ローラの家の横に赤い立て看板(?)がある。よく見ると不鮮明だが上部に“Les Demoiselles de Rochefort という文字が確認でき下には地図らしきものが見えるので、ロケ地めぐりの案内だと思われ、もしかしたら他の場所にも看板が立っているかもしれない…
milouさん、ご無沙汰しています。コメントありがとうございました。
例年のお忙しい時期、お疲れ様でした。
私も昨年更新をサボってしまっていましたが、今年になってまたやる気が出てきました。以前のようにまたご覧いただければ有り難いです。
ストリートビュー見ました。よく気づかれましたね。
ご指摘の場所だけでなく、この記事でストリートビューのリンクを張ったようなロケ場所には、ほとんどその看板が立っているようです。
立っているのは2011年のSVだけで、2017年に切り替えるとみな消えていますね。
赤い看板をよく見ると、1966と2011の数字が見えますので、撮影が66年でその45周年記念で盛り上げようみたいなところではないでしょうか。