『ダイナマイトどんどん』 (1978)

ダイナマイトどんどん [DVD]

作品メモ

高倉健さんに続いて、菅原文太さんまで旅立たれてしまいました。
ちょうど岡本喜八監督作品を取上げていた流れでこのエントリーを準備していたところでした。
最近は俳優としては活動されていなかったようですが、新作がもう見られないと思うとやはりとても残念です。

この映画は1978年10月7日公開。
岡本喜八監督作ではこれまでとりあげたテレビ映画『幽霊列車』『ブルークリスマス』の間となります。
菅原文太さんは、東映のドル箱「トラック野郎」シリーズで突っ走っていた頃。
勢いそのまんま……どころか、一桁上のテンションを伴って登場、画面狭しと大暴れします。

舞台は昭和25年の北九州・小倉。
激化する地元ヤの人の抗争に米軍と警察が介入、これからは何事も民主主義で解決する、ならば「民主主義のケンカ」をしようではないかということになり、なぜか組対抗親善野球大会が開かれることになったのでした……
といった設定で、血でボールを洗う?グラウンドでの抗争がコミカルに描かれます。

原作は火野葦平『新遊侠伝』。一度読んでみたいのですが、入手は難しそう。
撮影村井博、音楽佐藤勝。
他詳しいことは資料サイトをご覧ください。

スポーツでカタを付ける映画

こういうネタの映画はいっぱいありそうでしたが、いざとなると思いつかないものです。

『勝利への脱出』
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競技種目:サッカー
時代と場所:第2次大戦中の捕虜収容所
対戦チーム:イギリス軍捕虜チーム対ドイツ軍チーム
目的:ドイツ軍人の優秀さをアピール
『ロンゲスト・ヤード』
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競技種目:アメリカン・フットボール
時代と場所:現代のアメリカの刑務所
対戦チーム:囚人チーム対看守チーム
目的:刑務所の健全な運営をアピール
エントリー → 『ロンゲスト・ヤード』
『ラガーン』
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競技種目:クリケット
時代と場所:イギリス植民地時代のインド
対戦チーム:イギリス軍人チーム対インド人素人チーム
目的:「ラガーン」は税のこと。勝てば税を納めずに済みますが、負ければ倍に。
ただでさえ長いインド映画がクリケットを描くということで、上映時間も4時間近い大作。でも全く飽きさせません。

ロケ地

設定では小倉。
ロケも実際に北九州市で行われたほか、国内各地を使っているようです。

OP

タイトルが出るまで。

川沿いの通り

川沿いにパチンコ屋などが並び、人々で賑わっているところ。
後ほど登場する駅前と同じ場所。駅舎やトンネルで駅がわかり、そこからこちらの場所もわかりました。

八幡西区にある現JR折尾駅W、東口の南側。

トンネル

トラックが走り抜けるところ。
上述折尾駅のすぐ東側。

このトンネルはちょっとしたミステリーといいますか、トマソン的物件。
反対側(北側)から見るとこういった↓様子で、スパッっと断ち切られています。  

上の地理院地図GSIでお判りの通り、撮影当時はここに鉄道が走っていて(西鉄北九州線W)、その名残です。
この場所がいろいろなブログで画像入りで取上げられていたため、OPの川沿いの道や駅前を含めて判明しました。そうしたブログがなかったら、おそらく見つけられなかったと思います。ありがとうございました。

赤煉瓦の建物

そのままトラックは赤煉瓦の建物が長く延びているところへやってきます。
立派な構えで、どこかで見たことあるなあと思っていたら、これはいわゆる横浜の赤煉瓦ですね。
九州からワープ。

横浜赤レンガ倉庫W

残っている2棟のうちの大きい方。正確には赤レンガ倉庫2号館と言うようです。
その南側で撮影。東側に文太さんたちが待ち構えていた「新生マーケット」のセットを組んでいます。

By TYORON2 via Wikimedia Commons
(CC BY-SA 3.0)

映画の当時は確か普通の倉庫街という感じで、うっかり近づけないような雰囲気がありました(そもそも立ち入りできたかどうか??)。
上の画像で、建物の向こうにランドマークタワーが見えますが、もちろん当時はなくそのあたりはまだ海。
数年後に「みなとみらい21」というプロジェクトが始まり、何年かかけて広大な埋め立て地を造成、さらに世紀をまたいで今のような新しい施設が林立するエリアとなりました。
赤煉瓦倉庫もこのプロジェクトの一環ですっかりリノベート。
今では中にショップが並び、イベントもよく開かれていて、横浜観光の名所になっています。

小倉警察署

趣のある建物。
調査中。

駅前

0:16
主催者が集まって、親善野球大会をPRしているところ。
前述のように、こちらの駅前です。

折尾駅W

映画に登場した駅舎は最近解体されたとのことで、ストリートビュー(2013年4月撮影)では工事中の状態となっています。

By Tanuki via Wikimedia Commons
(public domain)

この画像は、映画のアングルに近いですね。

刑務所

0:18
デザイン的にはいかにも刑務所の門ですが、実際はどちらでしょう?
調査中

工業地帯と山

0:30
練習に加わらなかった着流しの文太さんが水辺にやってくるところ。
目の前に、工場群と山がひろがっています。

地理的な条件から絞り込み、さらに昔の空撮で工場の設備を照合すると、おそらく立っているのはこのあたりで、カメラ南東向き。

球場

華やかなマーチとともに選手たちがなごやかに入場(笑)。
文太さんの役名が「遠賀川の加助」と言うぐらいですから、遠賀川(おんががわ)Wの河川敷かと思いましたが見つからず。
先入観を捨てて画面を見つめ直してみると、背景に時々写るアーチがいくつも連なった橋に見覚えが??

東京都と神奈川県の境を流れる多摩川の中流で、ちょうど東京都が多摩川をまたいで膨らんでいるあたり、調布市と稲城市の間に似たような橋が架かっています。おそらくこれで正解。

多摩川原橋W

正確にはアーチが付いているのは道路に並行して架かっている水道管。

By Nt0714 via Wikipedia
(CC BY-SA 3.0)

こちらは映画のグラウンドとは対岸の調布市側から撮影されたもの。

球場シーンが撮影されたのは、橋の南西側、稲城市のこのあたり。
向こう岸にゴルフの練習場のネットが見えたり、応戦席の後ろに木々が見えますが、そういったものが手掛かりとなりました。

スコアボードの左後ろに見えた大きな建物(おそらく工場)は今ではマンションとなっているようです。

小倉豊楽園球場

設定では小倉豊楽園球場W (チラシより)
実在した球場で、場所は小倉駅のすぐ北側。

0:58
宮下順子さんと話すところ。
調査中。

ロケ地マップ

岡本喜八監督作

 

資料

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岡本喜八監督作

更新履歴

  • 2014/12/03 新規アップ

『ダイナマイトどんどん』 (1978)” への2件のコメント

  1. 色んなロケ地(横浜まで)が組み合わされているのですね。
    球場は絶対に東京だと思っていました。制作費などを考えるとわざわざ九州でロケする必要はありませんからね。

    「トンネル」は傑作ですね。是非一度足を運んで自分の目で確かめたいくらい。まさに「珍百景」です。

    一番印象に残っているのは、試合中に田中邦衛がダッグアウトの後ろで酒を飲み、ぐてんぐてんに酔っぱらってしまうところ。

    上映時間が少し長すぎたように思います。もう少しカットできるところはカットしてもよかったのではないか。

    外国映画には看守対囚人、捕虜などの映画は多々あると思いますが(ご指摘の3作品以外にも探せばいくらでも)、お堅い日本ではこの種の映画は記憶にありません。

  2. 赤松さん、田中邦衛さんヤカン抱えちゃうんですよね。ここお客さんに必ずウケる場面でした。
    上映時間に関してはまったく同感です。

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