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『ブルークリスマス』 (1978)

ブルークリスマス 【東宝DVDシネマファンクラブ】

作品メモ

このところ岡本喜八作品をとりあげていますが、世の中はいよいよクリスマスシーズンまっただ中へ……ということで『ブルークリスマス』です。

岡本監督作では珍しくSF仕立て、しかも海外ロケもある力作。
この年、テレビ映画の『幽霊列車』(1月14日放送)に始まり、劇映画では『ダイナマイトどんどん』(10月7日公開)と『ブルークリスマス』(11月23日)の2本が公開と、大活躍でした。

内容は……
世界各地でUFOが目撃され、目撃者の血液が青くなるという怪現象が発生。社会に不安が広がりますが、やがて青い血の人々を脅威ととらえた国家の謀略が密かに発動する……といったもので、分類するならSFポリティカル・フィクションでしょうか。
前半は仲代達矢さん演じる記者を通して巨大な陰謀が動いていることが示され、後半は防衛庁……じゃなくて国防庁の勝野洋さんと青い血を持った竹下景子さんの愛の行方が描かれます。

SF仕立てとはいえ、その年跋扈した『スター・ウォーズ』類似企画とは一線を画して、特撮を一切使わないというこだわりがありました。
真正面から戦いを挑んでもハリウッドの大作にかなうわけありませんから、これはこれである意味正解。
内容がしっかりしていれば、の話ですが。

SF考証的に最大のツッコミどころは、「わざわざ血を抜かなくても見りゃわかるだろ」でしょうか。
人の血液が青色になったら実際どんなルックスになるかはわかりませんが、少なくとも映画の中で青くなっちゃった女優さんを描写しているのですから、このへんの詰めの甘さはやはりマイナス。

またお話の方も「国家権力が無辜の民衆を情報操作してマイノリティを攻撃する」という図式が、当時の時点でもやはり古典的だなあと感じてしまい少し残念でした。
お金が無かった当時頑張って名画座ではなく封切りで見ましたが、そんなこんなで、う~むと中途半端な気持ちで帰路についたのを覚えています。

逆にプラスのポイントは、天本英世さんや岸田森さんといった常連組の安定感ある怪演を見られることでしょうか。
そちらの方は「出てきた出てきた」とウキウキワクワクできました。

スタッフも脚本倉本聰さん、撮影木村大作さん、音楽佐藤勝さんと豪華。
倉本聰さんは『北の国から』の原田美枝子さんのエピソードでもUFOを描いていましたが、当時関心がお有りだったのでしょうかね??

他詳しいことは、資料サイトをご覧ください。
ただ一部のサイトで、シネマスコープとなっていますが、公開当時の上映もスタンダードだったような記憶があり、これは間違いかと。

いっとき見ることが難しい映画でしたが、今ではHD放送もされDVDも発売、普通に鑑賞可能なようです。

ロケ地

京都国際科学者会議

『ザ・ヤクザ』でも登場したこちら。

向かいにプリンスホテル京都ができる前ですね。

ホテル・ニューキョート

上京区堀川通にあったホテル。こちらはもうありません。
今はスーパーとなっているようですね。

ニューヨーク

ロープウェイ

ルーズベルト・アイランド・トラムウェイ(Roosevelt Island Tramway)W

その後マンハッタンに戻っているのにいったん博士とわざわざ乗ったのは、用心してのことでしょうか。

このロープウェイ、『誰かがあなたを愛してる』でも登場しています。
そちらのエントリーで、「この映画で見るまでは、マンハッタンにロープウェイがあることを知りませんでした」とか書いちゃいましたが、先にこちらで見ていたはずですね。
う~む、まったく記憶に無かったような……

こちらは以前milouさんから『誰かがあなたを愛してる』向けに提供していただいた画像です。
(いつもありがとうございます♪)
撮影は1996年とのことです。

近代美術館

その後またマンハッタンに戻っています。

ニューヨーク近代美術館W

橋の下

ブルックリン橋のブルックリン側。

パリ

AP通信の記者と話すカフェ

1:26頃
不明

モンマルトルの階段

1:49
「パリ12月20日」とテロップが出るのは、おそらくケーブルカー沿いのこちら。

岡田英次さんがいたベンチはこの踊り場。

その後八千草薫さんと去って行くのがこの階段とその先のRue GabrielleW

雪国の駅

勝野洋さんと竹下景子さんが座っていたところ。
調査中。

ロケ地マップ

岡本喜八監督作

 
 
 

資料

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岡本喜八監督作

海外ロケ

更新履歴

  • 2022/06/16 各マップ情報更新
  • 2014-11-28 新規アップ

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