作品メモ
このところシチリアが舞台の映画を見てきましたが、割り込みでアップしたひとつ前のエントリー『男と女 人生最良の日々』で、ジェームズ・カーンが最近亡くなったことに触れましたので、今度はこちら。
『男と女』三部作?に続いて、『ゴッドファーザー』三部作です。
この三部作、シチリアについては撮影地がだいぶ重なっていますので、ひとつのエントリーにまとめてみました。
3つに分ければエントリー数かせげたかも、とセコい考えもふとよぎります……。
第二次世界大戦直後のニューヨークで、裏の世界を仕切る五大ファミリーのひとつ、コルレオーネ一家を描いたマフィアもの。
ジェームズ・カーンが演じたのは血の気の多い長男ソニー。
小物感がにじみ出ている次男フレド(ジョン・カザール)、堅気の道を歩んでいた三男マイケル(アル・パチーノ)、冒頭幸せな結婚式を挙げたはずの妹コニー(タリア・シャイア)、その夫で実はDV男のカルロ(ジャンニ・ルッソ)、弁護士兼顧問としてファミリーを支える養子トム・ヘイゲン(ロバート・デュヴァル)、そして圧倒的な存在感を放つドン、ヴィトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)と、家族だけみても絶妙なキャラクター配置がなされ、俳優たちの好演とともに作品の魅力を押し上げています。
原作マリオ・プーヅォ。
コッポラ監督とともに脚色も担当したことで、原作と映画の親和性は高く、ページをめくるだけで映画の世界が広がります。
製作監督脚本フランシス・フォード・コッポラ。
一度見たら忘れられない深い陰影の撮影はゴードン・ウィリス。ゴードン・ウィリス(とアラン・J・パクラ)については『コールガール』参照。
音楽ニーノ・ロータ。
その他資料的なことは、文末にまとめたリンク先等を参照ください。
久々に三部作と原作を見てみましたが、競合ファミリーはもちろん、身内までもほとんど天寿を全うできないというのは、もはや『鎌倉殿の13人』の世界ですね……
コッポラ・ファミリー
スタッフや出演者など、コッポラ監督の家族が大挙関わっています。
最強のファミリーはコッポラ一家だったりして。
典型的なのが、1作目ラスト近くの洗礼式(2:36)。
赤ちゃんは男の子という設定ですが[1]設定ではコニーとカルロの次男マイケル・フランシス・リッツィ、演じた?のは産まれたばかりの監督の娘ソフィア・コッポラ。
赤ちゃんの母親コニーは、監督の妹タリア・シャイア。
教会の外で母子に挨拶する客が監督の母イタリア・コッポラ。[2]IMDbではExtra in Wedding Sceneとだけなっていますが、監督コメンタリーでは洗礼式のこの人物が母親だと語っています
……ということで、監督のリアル家族三代が密になっています。
以下まとめの表を作ってみました。間違っていたらごめんなさい。
ソースはIMDb、監督コメンタリーなどです。
誤りや不足分はご遠慮なくご指摘ください。
人名 | 続柄 | 無印 | PART II | PART III | |
---|---|---|---|---|---|
カーマイン ・コッポラ |
父 |
音楽(結婚式の楽曲) ピアノ弾きとして出演 結婚式の場面に見える[3]監督コメンタリー |
音楽(作曲、指揮) |
音楽(作曲、指揮、編曲) 冒頭のパーティーで 指揮者として出演[4]監督コメンタリー。両親を見たのはこれが最後でこの後すぐ父親は亡くなったとのこと。 |
|
イタリア ・コッポラ |
母 |
結婚式の場面に見える[5]監督コメンタリー 洗礼式の客[6]監督コメンタリー |
柩に横たわる母親カルメラ[7]カルメラ役のモーガナ・キングが縁起が悪いと断ったため、その代役 |
冒頭のパーティーで アルトベロと歌う客[8]監督コメンタリー |
|
タリア ・シャイア |
妹 | マイケルたちの妹コニー | 同左 | 同左 | |
ロマン ・コッポラ |
息子 |
ソニーがカルロをボコるのを 見ている道ばたの少年 ヴィトーの葬儀で 後ろにいる少年[9]設定ではトム・ヘイゲン(ロバート・デュヴァル)の息子 |
少年時代のソニー (ヴィトー一家の帰郷) |
||
ジャン=カルロ ・コッポラ | 息子 | 同上 | |||
ソフィア ・コッポラ |
娘 |
洗礼式の赤ちゃん (コニーとカルロの次男) |
船上の子供[10]IMDbから。おそらく少年ヴィトーがNYに到着する場面 | マイケルの娘メアリー | |
ジア ・コッポラ |
孫[11]監督の次男ジャン=カルロ・コッポラの娘 |
冒頭のパーティーで ピンクの服を着てぺたんと 座っている少女[12]監督コメンタリー |
|||
アントン ・コッポラ |
叔父 | オペラの指揮者[13]監督コメンタリー |
ありとあらゆる映画に出まくっているニコラス・ケイジ(甥)は登場せず 😇
ロケ地
IMDbでは、
例によって、IMDbのリストとウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。
以下とりあえずシチリアの場面についてチェック。
便宜上、無印は「P1」、PART IIは「P2」、PART IIIは「P3」と略記しています。
シチリア(P1)
P1 1:36
P1ではシチリアはマイケルの潜伏先として登場します。
すっかりノワールだったニューヨークから一転、強い日差しのもとでシチリアの大自然がたっぷりと映し出され、ニーノ・ロータの名曲「愛のテーマ」が流れるという、この場面転換は本当にお見事。
ここでのコッポラ監督のオーディオコメンタリーによれば、原作を読んだときにシチリアの背景にアル・パチーノしかないと思ったとのこと。
会社側からはアル・パチーノは反対されレッドフォードやライアン・オニールを強く推されたとのことですが、できあがりを見ればアル・パチーノが自らきっちり答えを出したのがわかります。
今回まったくの偶然ですが執筆中に、こちら↓の御本を製作されたホレタビ編集部様から、ご連絡をいただきました。
シチリア各地を紹介したガイドブックですが、「スクリーンから地続きのシチリア」と謳われている通り、特に映画のロケ地にフォーカスしているのがうれしいところ。
映画としては、『ゴッドファーザー』、『ニュー・シネマ・パラダイス』、『グランブルー』、『マレーナ』、『山猫』などがピックアップされています。
100ページ近い紙面は多くの美しい画像で彩られていて、とても楽しめました。
Kindle版はUnlimitedでも読むことができますので、ぜひどうぞ。
(表紙画像はアソシエイトリンクを使って表示しています)
ホレタビ編集部様から、取材で撮影された多くの画像を提供していただけましたので、以下遠慮なく使わせていたただきました。
「©HORETABI」が示された画像の著作権はすべて「ホレタビ編集部」様に属します。無断転載を禁じます。
最初のカット
P1でのシチリアの最初のカット、羊さんたちがぞろぞろ移動する斜面を3人が上っていくロングショット。
背景の山並や斜面の具合は、このあたり↓が映画と一致しています。カメラ南西向き。
- Google Maps(SV)
- Google Maps
- 37.870547066385136, 15.203331991655684
IMDbのリストに掲載されている場所の周辺をチェックしていて見つけました。
こちらを含め、P1のシチリアでのロケ地はだいたいシチリア島の北東部、イタリア半島のつま先に面したあたりに集まっているようです。
あとからやってきた地元のドン・トマシーノのセリフから、この場面でのマイケルはトマシーノによって保護されている場所(後述の「マイケルの滞在先」)を出て、コルレオーネ村を目指して歩いていることがわかります。
「コルレオーネ」のルーツを求める旅といったところでしょうか。
トマシーノと別れた後、左手に向かってゆっくり移動するカットも、ほぼ同じ位置。カメラ南東向き。
同行する護衛のひとり、ベストを着ていない方(役名カーロ Calo)を演じていたのはフランコ・チッティ (Franco Citti)。
つい最近エントリーを書いた『カンタベリー物語』で悪魔を演じていました(第2話「托鉢僧の話」)。どちらも1972年の作。
⇒ IMDbのphoto ……左側
コルレオーネ村・遠景
「コルレオーネの村だ」と指差されたのは、こちらのコムーネ↓
- Google Maps(SV)
- 37.89256172,15.17052497 ……カメラ位置
- Wikimedia Commons > Category:Motta Camastra
コルレオーネ村はシチリア島に実在しますが、撮影には使われず、他のいくつかの場所を編集でつぎはぎして見立てています。
参考までに、実際のコルレオーネ村は、撮影地とはだいぶ離れたこちら↓
シチリア島の北西部、パレルモに近いところ。
- Google Maps
- 37.8137393,13.30067033
▼24/11/2 追記
Genkiさんから画像を提供していただきました。
今年(2024年)5月にロケ地巡りをされた時のものとのことです。
Genkiさんは、こちらの画像を含むロケ地探訪記を4travel.jpにアップされていますので、ぜひご覧ください。
村の通り
設定としては、村を指差してから後は、コルレオーネ村の中ということでしょうか。
死者の名が張り出されている通りは、おそらくこちら↓のコムーネ。
Forza d’AgròW, Messina, Sicily, Italy (as Corleone village)
- Google Maps
- 37.9146669,15.3354169
- Wikimedia Commons > Category:Forza d’Agrò
こちら↓は映画のシーンと似て非なる場所のスチル
この場所も気になっていますが、具体的な撮影ポイントはどちらも調査中。
(資料がないと難しいかも)
村の教会(P1,P2,P3)
P1 1:38
続いてやってくるのは、やはりForza d’AgròWのこちらの教会↓
Cattedrale di S. Maria Annunziata e Assunta
- Google Maps(SV)
- Google Maps
- 37.9149091,15.33418096
- Wikimedia Commons > Category:Chiesa della Santissima Annunziata (Forza d’Agrò)
こちらは、P2では、冒頭(0:07)幼少時代のヴィトー(ビト)がロバの荷物に隠れて通り過ぎる場面と、ヴィトーが復讐を遂げたあとの場面で登場。
P3では、マイケルが元妻ケイとヴィトーの生家を訪れた後立ち寄ります。
……ということで三部作皆勤賞♪
▼24/11/2 追記
こちらもGenkiさんから画像を提供していただきました。
Genkiさんは、これらの画像を含むロケ地探訪記を4travel.jpにアップされていますので、ぜひご覧ください。
川沿いの道
P1 1:38
走り抜ける米兵に声をかけるところ。
- Google Maps(SV)
- 37.8664383,15.19870090
カフェ
P1 1:40
見初めた娘アポロニアの父親の店。
原作ではコルレオーネ村とは別の場所ですが、映画の設定としてはそのままコルレオーネ村の中ということでしょうか。
撮影場所はまたワープしてこちら↓のコムーネ。
Savoca(サーヴォカ)W, Sicily, Italy (bar sequence) (Michael and Apollonia’s wedding church)
お店は現役のこちら↓
Bar Vitelli
https://barvitellicharmingsuites.com/
- Google Maps(SV)
- Google Maps
- 37.9557122, 15.33970299
- https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Buildings_in_Savoca#/media/File:Savoca,_Bar_Vitelli.JPG
SVで見ると観光客でいっぱいですね 😊
聖地といいますかご当地として経済効果は今なおけっこうあるように思われます。
1:44頃にも再登場しますが、アルファロメオはこちら(北東側)↓からやってきます。
背景の建物はみな建て替えられていますね。
父親とだいぶ打ち解けてきたマイケル。
その後アポロニアと散策しますが、彼女がよろけてマイケルが手を差し伸べます。
後ろを行く女性陣がニヤリとしますが、これはアポロニアがわざとよろけたため。原作にもある描写です。
P1では、他に1:50頃、結婚式の祝宴で新郎新婦が踊るのもこの店の前。
以下、ホレタビ編集部様からご提供いただいた画像を掲載致します。
メニューにヴィトーやマイケルの名前が付いていますね。
ホレタビ編集部様からは「大抵こういうロケ地の店はあまりおいしくないのですが、ここはすごく美味しくておすすめです!」とのコメントもいただきました。
確かにとてもおいしそうです 🙂
SVで近くをうろついてみたら、こんな↓タクシーの案内を見つけました。
ここから「結婚式の教会」(後述)まで3ユーロ也。
距離は数百メートルぐらいでしょうけど、アップダウンがありそうですので、楽と言えば楽。
もひとつついでに、お店の正面にある見晴台にコッポラ監督のパネルがありました。
こちらも、ホレタビ編集部様から画像も提供いただきました。
こうなったらマイケルの顔出しパネルとか、用意してほしいものです 😇
▼24/11/2 追記
こちらもGenkiさんから画像を提供していただきました。
さすがに顔出しパネルはないようですが、こちら↓はマイケルの座った椅子。
Genkiさんは、こちらの画像を含むロケ地探訪記を4travel.jpにアップされていますので、ぜひご覧ください。
マイケルの滞在先(P1,P2,P3)
P1 1:43
P1ではドン・トマシーノがマイケルのために用意した隠れ家。原作ではドン・トマシーノの叔父の家となっています。
先にも書きましたが、ここはコルレオーネ村とはちょっと離れているという設定。
最初に写るのは、レストランのエピソードに続いて店主の家に赴く場面で、アルファロメオが狭苦しそうに門を出て行く時(⇒ IMCDb)。
門の外側からですが、中もちらりと覗けます。
Castello Degli Schiavi, Fiumefreddo di Sicilia, Catania, Sicily, Italy (Don Tommasino’s villa, car blown up)
- Google Maps(SV)
- 37.79176311, 15.22327988
P1でカメラが敷地内に入り中庭や建物がはっきり写るのは、2:03頃、アポロニアが自動車教習でぐるぐるまわっていた時。
ソニー暗殺の知らせを聞いた直後のショットでは、全景が写っています。
P2では、2:44 過去編でシチリアにやってきたヴィトー一家が歓迎を受ける場面で登場。
P3では、マイケル一家の帰郷(1:26)の他、ラスト、マイケルが孤独のうちに最期を迎えるところとなります。
……ということで、こちらも三部作皆勤賞♪
これまでのエントリーで言えば、パゾリーニ監督の『豚小屋』で中世の館として登場。
今回はホレタビ編集部様ご提供の画像でご紹介致します。
この階段↓は、P1でアポロニアの悲運の直前、マイケルが降りてくるところですね。
「ネコが10匹くらいいて可愛かった」とのことです♪
参考画像となりますが、建物内部の画像も提供していただきました。貴重なものと思いますので、セレクトして掲載させていただきます。
P1で車が爆破されたのは、1:43にアルファロメオが出て行った門で、中庭の東側。今度は内側から写されています。
この門は木々で埋もれてSVでは確認できません。
- Google Maps
- 37.791686139304815, 15.223614977050518
犯人が逃げていった門は表通りに面しているので、SVで確認できます↓
- Google Maps(SV)
- 37.791491,15.22323171
撮影から半世紀近く経っていますが、当たり前のように門扉は今でも同じ形。
ちなみに、映画では犯人(ファブリツィオ)はそれきりでしたが、原作ではニューヨークへ逃げていき、ピザ屋さんとなっていたという設定。
マイケルはもちろんそのことを把握しており、きっちり落とし前を付けています。
▼24/11/2 追記
こちらもGenkiさんから画像を提供していただきました。
Genkiさんは、これらの画像を含むロケ地探訪記を4travel.jpにアップされていますので、ぜひご覧ください。
結婚式の教会
P1 1:49
アポロニアと式を挙げた教会はコルレオーネ村という設定。
撮影もカフェと同じSavoca。
Chiesa Santa Lucia
- Google Maps(SV)
- Google Maps(SV)
- Google Maps
- 37.9536860,15.34187250
こちらも観光客でいっぱい 😊😊
こちら↓はホレタビ編集部様からご提供いただいた画像です。
道路が舗装されていて、映画の雰囲気は失われている模様……
『スクリーンから地続きのシチリア』でも「映画のシーンとはだいぶ変わってしまっている。とりあえず1回行っとけばOK。2回行く必要はない」とのことでした 😅
行列を横から捉えたロングショットは、教会のそば、例えばこのあたり↓から撮られたもの(カメラ西向き)。
結婚式の教会から父親のお店まではこのコースを通るので、リアルな位置関係となっています。
こちら↓もホレタビ編集部様からご提供いただいた画像で、Savoca村をドローンで捉えています。
手前やや左側が結婚式の教会。右端近くに新婦の実家のレストランやその前の見晴台が見えます。
結婚式の音楽(行進曲や披露宴の舞曲)は、コッポラ監督の父親カーマイン・コッポラが担当。
すべて生演奏の収録とのこと(監督コメンタリー)。
『ゴッドファーザー』と言えばニーノ・ロータの曲がやたら有名ですが、このへんの味のある音楽もとても効果的で印象に残ります。
なおこの場面の監督コメンタリーによれば、両親があちこちに写っているそうですが、確認できませんでした。
父カーマイン・コッポラがはっきり写るのは、マイケルが去った後血で血を洗う抗争となったNYで、ピアノを弾いているピアニスト。
母イタリア・コッポラがはっきり写るのは、洗礼式の客として。
▼24/11/2 追記
こちらもGenkiさんから画像を提供していただきました。
Genkiさんは、これらの画像を含むロケ地探訪記を4travel.jpにアップされていますので、ぜひご覧ください。
シチリア(P2)
ドン・チッチオの館
P2 0:04
ヴィトー(ビト)の少年時代。
母親が懸命に息子の命乞いをしたところ。
設定としてはコルレオーネ村ですが、撮影はシチリア島東部、IMDbのリストのこちら↓
via Vecchia Pozzillo, Acireale, Catania, Italy (Don Ciccio’s villa)
- Google Maps(SV)
- 37.6617384,15.175712
マップではこういった↓名称になっています。
Villa Il Padrino Parte II
ここは、2:47で再登場。大人になったヴィトーが訪れます。その理由は言わずもがな……
その場面で脚を撃たれてしまったのが、トマシーノ。
P1で脚の具合が悪そうだった理由が、ここで明らかになります。
▼24/11/2 追記
こちらもGenkiさんから画像を提供していただきました。
Genkiさんは、こちらの画像を含むロケ地探訪記を4travel.jpにアップされていますので、ぜひご覧ください。
生家周辺?
P2 0:06
ドン・チッチオの男たちが少年ヴィトーを捜す場面。
薄暗くて何がなんだか、どこがどこだか判別付かず。
ロバで通り過ぎる教会
ロバの荷物に隠れて通り過ぎていくところ。
既述の通り、P1で村に入ったマイケルが護衛とともにやってきた教会。
→ 「村の教会(P1,P2,P3)」参照
コルレオーネ駅
P2 2:44
ヴィトー一家の帰郷。
蒸気機関車が駅に到着しますが、この撮影はシチリアではないと思われます。
長男ソニーの少年時代を演じたのは、コッポラ監督の息子ロマン。
車でやってきたのは、P1でマイケルの隠れ家として登場したドン・トマシーノの物件。
→ 「マイケルの滞在先(P1,P2,P3)」参照
シチリア(P3)
PART IIIには、再編集された『ゴッドファーザー<最終章>:マイケル・コルレオーネの最期』The Godfather Coda: The Death of Michael Corleone (2020) というバージョンが存在します。
内容はほぼ同じですが、時間がやや短縮。
参考までに、<最終章>でのタイムスタンプは(終 )で示しています。
バゲリーアへの道
P3 1:25(終 1:18)
P3でシチリアの最初のショット、古代の神殿を背景に車がやってくる場面。
BAGHERIA, SICILYとテロップが出ますが、実際の撮影はバゲリーアではなくこちら↓
Segesta, Calatafimi-Segesta, Trapani, Sicily, Italy (road leading to Baghiera)
- Google Maps(SV)
- 37.94404665,12.83924100
バゲリーアから西へ60kmほど。
背景の神殿は、こちら↓
- Google Maps(SV)
- 37.941550,12.832859
これまでのエントリーで言えば、『カオス・シチリア物語』の冒頭の空撮で登場しています。
ホンモノのバゲリーアはパレルモのすぐ東側に位置。
トルナトーレ監督の『シチリア!シチリア!』(2009)で主な舞台となった他、アントニオーニ監督の『情事』でも登場していますので、それらのエントリーも参照ください。
バゲリーアでの滞在先
続いてマイケル一家が歓迎を受けるところ。
そこに滞在するという設定のようです。
撮影はやはりバゲリーアではなくパレルモ市内のこちら↓
Villa MalfitanoW – 167 Via Dante, Palermo, Provincia di Palermo, Sicily, Italy (reception)
- Google Maps(SV)
- 38.12341948,13.3415351
- Wikimedia Commons > Category:Villa Malfitano (Palermo)
ドン・トマシーノ
P3 1:26 (終 1:19)
ヴィンセントにドン・トマシーノを紹介して、作戦を練り直すところ。
この屋敷はP1でマイケルの滞在先だったところで、撮影場所は、「マイケルの滞在先(P1,P2,P3)」参照。
この場面のドン・トマシーノはP1とは別の俳優さん(P1の方はP3の前に亡くなっています)。
P2で若き日を演じたのも別の俳優さんですから、三部作ですべて違う俳優さんだったことになります。
アルトベロの屋敷
P3 1:34 (終 1:27)
ヴィンセント(アンディ・ガルシア)がアルトベロ(イーライ・ウォラック)に会いに来たところ。
Villa La Limonaia, Acireale, Catania, Sicily, Italy (Altobello’s villa)
- Google Maps
- 37.64973980,15.14357999
現在結婚式場やイベント会場になっているようです。
オフィシャルサイトの沿革にも映画の一場面が貼り付けてありました。
http://www.villalalimonaia.it/it/villa-acireale/villa-storica.html
修道院入口
P3 1:38 (終では削除)
マイケルがトマシーノの助言に従いランベルト枢機卿に会いに来たところ。
Chiesa di Sant’Orsola, Erice, Sicily, Italy (entrance to convent where Corleone meets Cardinal Lamberto)
- Google Maps(SV)
- 38.0415165,12.5885005
中庭は別の場所。
モスカの住まい
P3 1:47 (終 1:39)
アルトベロがやってきた屋敷。
不明。
バゲリーア駅
P3 1:49 (終 1:40)
元妻ケイを出迎えたところ。
ホンモノではなく、こちら↓の駅で撮影。
Taormina, Messina, Sicily, Italy (Baghiera train station)
- Google Maps(SV)
- 37.8454919,15.2825698
- Wikimedia Commons > Category:Taormina-Giardini train station
ヴィトーの生家
P3 1:54 (終 1:45)
マイケルがケイを案内したところ。
ヴィトーの生家ということで、設定ではコルレオーネ村。
扉のあたりは、P2で男たちが少年ヴィトーを探していた場面と同じかもしれませんが、P2では暗くて確認できず。
監督オーディオコメンタリーに拠れば、タオルミーナとのこと。
ケイが到着した駅の町ですね(設定ではバゲリーア)。
具体的な場所は調査中。資料がないと難しいかも。
▼24/11/2 追記
なんとこちらもGenkiさんから画像を提供していただきました 🙂
よく見ると、ドアフォンの上にその場面が貼られていますね 🙂
Genkiさんは、こちらの画像を含むロケ地探訪記を4travel.jpにアップされていますので、ぜひご覧ください。
場所ですが、その記事を「生家」でページ内検索すると同じ画像にたどり着けますので、右下の「地図を見る」をクリックしてみてください。
三部作皆勤賞?の「村の教会」があるForza d’Agrò(フォルツァ・ダグロ)でした。
- 37.915298,15.333291
後述「駐車」の場所も近いですから、そのあたり映画の世界とリアルな世界が重なっているようです。
生家近くの教会
ヴィトーの生家の近く、誰かの結婚式が行われているのにケイが気づき、2人で立ち寄ります。
ここは、P1で若きマイケルが護衛を連れてやってきたところ。
P2では少年時代のヴィトーがロバの荷物に隠れ、この教会の前を通って村を脱出。
それもあってか、P3でマイケルとケイが教会に近づいていく時、前をロバが横切っていきます。
→ 「村の教会(P1,P2,P3)」参照
人形劇
教会の横?で上演中の操り人形劇。
操り人形は映画のタイトルロゴに使われていて<ゴッドファーザー>の世界の象徴。
映画オリジナルではなく原作本の初版ハードカバー(1969)から登場しています。
とても優れたデザインですね。制作は、S・ニール・フジタW。
P3の人形劇は、P2の過去編、ファヌッチ暗殺の場面で上演されていたのと同じ出し物のようです。
監督コメンタリーによれば、La Baronessa di Carini (カリーニ男爵夫人) の話とのこと。
カリーニ男爵夫人が従兄弟を愛してしまい、夫人の父親が彼女を殺してしまうと言う、つまり名誉殺人のお話ですね。
P3では、従兄弟のヴィンセントを愛してしまったメアリーに重ねているのだと思われます。
余談ですが、名誉殺人はピエトロ・ジェルミ監督の『イタリア式離婚狂想曲』で重要な題材となっていて、これは何本かあとに取り上げる予定。
駐車
P3 1:56 (終 1:47)
ケイに運転を頼むところ。
教会と同じくForza d’AgròW。
教会のすぐ北側。
- Google Maps(SV)
- 37.9153198,15.33406372
ドン・トマシーノの暗殺
P3 1:57 (終 1:48)
ドン・トマシーノが神父に扮装したモスカ親子に射殺されるところ。
Strada Provinciale 78, Nunziata, Catania, Italy (Mosca kills Don Tommasino)
- Google Maps(SV)
- 37.7522564,15.16522899
▼24/11/2 追記
こちらもGenkiさんから画像を提供していただきました。
(撮影場所からもう少し西へ進んだあたりかと思います)
Genkiさんは、こちらの画像を含むロケ地探訪記を4travel.jpにアップされていますので、ぜひご覧ください。
劇場
P3 2:12 (終 2:02)
Teatro Massimo(マッシモ劇場)W, Palermo, Provincia di Palermo, Sicily, Italy (opera sequence, exterior and entrance)
- Google Maps(SV)
- 38.1204413,13.35773841
こちらもホレタビ編集部様ご提供の画像を掲載させていただきます。
模型は実在のものでした↓
コニー(タリア・シャイア)がアルトベロ(イーライ・ウォラック)に渡したのは、カンノーロW
『モンタルバーノ ~シチリアの人情刑事~』でも何度か登場していました。
こう↑並べると、今話題のミャクミャク様みたい……
ラスト
しめくくりは、ホレタビ編集部様ご提供によるこちらの画像で。
ロケ地マップ
資料
無印
PART II
PART III
更新履歴
- 2024/11/05 「コルレオーネ村・遠景」「村の教会(P1,P2,P3)」「カフェ」「マイケルの滞在先(P1,P2,P3)」「結婚式の教会」「ドン・チッチオの館」「ヴィトーの生家」「ドン・トマシーノの暗殺」にGenkiさんの画像をアップ
- 2022/07/24 新規アップ
References
↑1 | 設定ではコニーとカルロの次男マイケル・フランシス・リッツィ |
---|---|
↑2 | IMDbではExtra in Wedding Sceneとだけなっていますが、監督コメンタリーでは洗礼式のこの人物が母親だと語っています |
↑3, ↑5, ↑6, ↑8, ↑12, ↑13 | 監督コメンタリー |
↑4 | 監督コメンタリー。両親を見たのはこれが最後でこの後すぐ父親は亡くなったとのこと。 |
↑7 | カルメラ役のモーガナ・キングが縁起が悪いと断ったため、その代役 |
↑9 | 設定ではトム・ヘイゲン(ロバート・デュヴァル)の息子 |
↑10 | IMDbから。おそらく少年ヴィトーがNYに到着する場面 |
↑11 | 監督の次男ジャン=カルロ・コッポラの娘 |
コメント
ご無沙汰しております。
年に1回の海外ロケ地巡りで、来年5月にイタリアに10日間行く事に決めました。
航空券を買っただけですので詳しいプランはこれからですが、ゴッドファーザーメインですのでシチリア島メインになります。
他にジョージクルーニー主演のラストターゲットって言うマイナーな映画ロケ地で、カステルデルモンテにも行く予定です。
まだまだ先ですが、無事に辿り着ければまた画像を送らせていただきますね。
Genkiさん、
今度はイタリアご旅行ですか。シチリアはそれこそ車でないとどうにもならないことでしょうね。どうぞたっぷり楽しんできてください♪
『ラスト・ターゲット』確かケーブルで見た記憶がありますが、地味ですけど結構面白かったです。ジョージ・クルーニーは何をやっても渋くてそれだけでも十分良いんですよね。
こんにちは。
ご無沙汰しております。
5月4日から9泊11日でゴッドファーザーロケ地訪問メインでイタリアに行って来ました。
他にもジョージクルーニーの「ラストターゲット」、ダニエルクレイグの「007ノータイムトゥーダイ」のロケ地も行ってきました。
レンタカーでの移動でしたが、居ながらシネマさんのロケ地マップのおかげで効率的に巡る事が出来ました。
本当にありがとうございました。
画像もメールしますので宜しければご覧頂ければと思います。
Genkiさん、コメントありがとうございます。
レンタカーでのロケ地訪問、『大脱走』『シンシナティ・キッド』に続いて、今回は『ゴッドファーザー』の世界を満喫されたようで何よりでした。
他にマテーラはいろいろな映画で撮影地となっているのでわかるのですが、『ラスト・ターゲット』というのはまた渋いですね。確かにあの撮影場所は記憶に残ります。
画像も別途送付ありがとうございました。
時間を見て徐々にアップさせていただきますが、待ち切れないみなさんは、ぜひGenkiさんの4travelの旅行記を御覧ください。
トラブル連発!南イタリアとシチリア 映画ロケ地巡り 1人ロードトリップ
https://4travel.jp/travelogue/11904778
ありがとうございます。
今回は最初にドンアルトベロの屋敷に行ったのですが、門がガッチリ閉まっていて中の様子も伺えませんでした。
スキアーヴィ城は個人では入れず、ツアー1人参加5万円をケチった結果やはり外からしか見れませんでした。
少し後悔しています…
パレルモには時間の関係で行けませんでした。
全て巡る事は出来ませんでしたが、居ながらシネマさんのロケ地マップのおかげでとても感慨深い深い旅でした。
Genkiさん、画像アップ致しました。
遅くなり大変申し訳ありません。
個人的には「生家」が判明してスッキリです。
現地訪問ならではの情報、ありがとうございました!
こんにちは。
ありがとうございます。
マッシモ劇場のあるパレルモには行けなかったのですが、居ながらシネマさんや皆さんの情報のおかげで充実したゴッドファーザーロケ地巡りが出来ました。
来年の5月には、居ながらシネマさんの思い入れが深い冒険者たちのロケ地巡りでフランスに行きます。
イル-デ島にも行く予定です。
他にはボルサリーノのロケ地でマルセイユにも訪問します。
まだまだ先ですが画像も送らせて頂こうと思っております。
どうぞ宜しくお願いします。