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『ケミカル・シンドローム (SAFE)』 Safe (1995)

作品メモ

ジュリアン・ムーア出演作をもう少し。
下書きで放って置いたものを含めて、あと何本か続けてアップする予定です。

ひとつ前のエントリー『サバイビング・ピカソ』の前年公開作で、こちらは堂々主演。

ヒロインはロサンゼルスの高級住宅地に住まう主婦。
当然のように使用人がいて家事はおまかせ。夫を送り出した後は広い家でインテリアをアレンジしたり、ジムに出かけてはレオタード姿でお仲間たちとエクセサイズにはげんだりしている有閑ぶりなのですが、あるとき体の変調を感じ始めます。
吐き気をもよおしたり、匂いに敏感に反応したり、呼吸困難に陥ったりと症状は一定せず、医師に見てもらってもいっこうに改善しません。
どうやら身の回りに潜む様々な化学物質にアレルギーを起こしているのではないかとわかってきた彼女は、同じような症状に悩む人たちが集う施設に参加しますが……
……といったお話。

単に化学物質過敏症を扱った文明批評映画ともとれますが、もう少し普遍的に心の孤独や魂の救済といったテーマにも踏み込んでいるようです。
後半登場する施設もかなり怪しいところで、なかなか一筋縄ではいかない映画。
ヒロインがこの先どこに向かっていくのか、見ている方は胸が苦しくなるような思いを強いられます。

やはり現代的なアイテムで心の崩壊を描いた『レクイエム・フォー・ドリーム』もかなり強烈でしたが、あちらが城攻めに例えるなら投石機のようながんがんやって来る直接攻撃で、こちらは水攻めのようなじわじわくる嫌らしさ。
こっちの方が見ていて精神的にキツイかもしれません。
決してカタルシスを得たり爽快になる映画ではありませんが、ちょっと病んだ感じが似合う?彼女にぴったりの映画となっていて、代表作の1本といってもいいのではないかと思います。

劇場公開時は原題と同じ『SAFE』。ビデオタイトルは『ケミカル・シンドローム』で、個人的にはこちらになじんでいます(記事のタイトルもこちらをメインにしてしまいました)。
ケーブルか何かで見た記憶もありますが、録画しなかったのでどちらのタイトルだったかはわかりません。

夫グレッグ・ホワイトにザンダー・バークレー。最初の方で顔が写らないのでわかりませんでしたが、レストランの場面で「あ、ガタカのお医者さんだ」と気づきました。
コミューンの設立者ピーター・ダニング(Peter Dunning)にピーター・フリードマン。

監督・脚本トッド・ヘインズ。この後『ベルベット・ゴールドマイン』をはさんで『エデンより彼方に』で再びジュリアン・ムーアと組んでいます。
撮影アレックス・ネポンニアシー、音楽エド・トムニー。

ロケ地

IMDbでは、

Brandeis-Bardin Institute – 1101 Pepper Tree Lane, Simi Valley, California, USA
Los Angeles, California, USA

そうでなくてもエンドクレジットがとても見づらい上に、VHSのぼそぼそ画像で見たため、謝辞などは確認できませんでした。

キャロルの家

ゲート付きプール付きの豪邸。
IMDbのトリビアによると、監督の両親の住まいのようでして、建物内部の撮影は監督の「家族や親戚」の家とのこと。

テロップ通りサン・フェルナンド・ヴァレー(SAN FERNANDO VALLEY)なのかどうかはわかりませんが、とにかくリッチですね~

クリーニング店

0:14頃。
調査中。

カーラジオ

トラックの排気ガスに苦しむところ。
調査中。

屋外レストラン

場所は不明。
IMDbのトリビアによると、背後に監督の父親や姉(妹)が写っているとのこと。

レストラン(外観)

夜友人達と食事したところ。
出るときに”St. Tropez”と店名が写りますが、IMDbのトリビアによると、この部分の撮影は監督の両親の自宅だとか。リッチやないの~

施設

周囲に何もない土地に、特徴的な形の建物が点々と建っている不思議な場所。

設定では、「レンウッド・センター (Wrenwood Center)」。
撮影はIMDbのリストにあるBrandeis-Bardin InstituteW

彼女が最初に入った建物はここ。

不思議な景色もあってか、この場所はいくつかの映画でロケ地となっているようです。

資料

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ジュリアン・ムーア

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