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『マドモアゼル』 Mademoiselle (1966)

マドモアゼル [DVD]

作品メモ

ひとつ前のエントリー『デュラス 愛の最終章』(2001)ではジャンヌ・モローがマルグリット・デュラスを演じていましたが、こちらはデュラス脚本でジャンヌ・モローが主演の1966年の映画。
これまで当サイトで扱ってきたマルグリット・デュラスもの?は、こういったところ(年代逆順)。

意識したわけではありませんが、ジャンヌ・モローが関わっている作品を多くピックアップしていますね。
本作はデュラス脚本でジャンヌ・モロー主演ですから、『雨のしのび逢い』(60)と同じパターンとなります。

……と書いちゃって良いのかわからない部分がありますので、メモ書きをば。
この映画、IMDbを含むどの映画サイトの資料でも、原作ジャン・ジュネ、脚本マルグリット・デュラスとなっていますが、少なくともDVD版の本編を見る限り「シナリオ ジャン・ジュネ」とだけあり、デュラスの名前はどこにもありません。
ここらへんの真偽はよくわかりませんので、気になる方はご自分で調べて何かわかったら教えてください(おい)。

舞台はフランスの中部にある小さな農村。
ジャンヌ・モロー演じるヒロインは、そこで教師をしています。村人たちには「マドモアゼル」と呼ばれていますが、つまりは未婚ということですね。いつも口をへの字に結んで無表情。なにやらとても禁欲的な雰囲気を漂わせています。
村ではこのところ放火や水門が壊されるなど不審な事件が続いていて、人々に動揺が広がっています。
実は彼女こそその犯人なのですが、まじめな教師としてしか見られていない彼女を、誰も疑うことはありません。
代わりに疑いのまなざしは、出稼ぎにきているイタリア人に向けられます。
彼女はこのイタリア人にとても惹かれるものを感じていたのですが……

といったお話ですが、とにもかくにも抑圧された心理と逆比例するかのように悪事をエスカレートさせていくヒロインのキャラ造形が強烈で、見終わって気分がどよよんとすること必至。
音楽無し[1]音楽は無いはずですが、IMDbその他映画サイトの資料では音楽アントワーヌ・デュアメルとなっています。DVD版本編にはクレジットがありません。の濃密なモノクロ映像が、どよよんに拍車をかけます。

よくもまあこんなお話を考えるものだとある意味感心しますが、原案ジャン・ジュネということで、なるほどねーという感じでしょうか。[2]上述の通り、DVD版本編のクレジットを見る限り、シナリオがジャン・ジュネとなっていて、デュラスの名前はありません。

舞台はフランス、言葉もフランス語ですが、監督トニー・リチャードソン、撮影デイヴィッド・ワトキンと、イギリス人チーム。
イタリア人マヌー役にエットレ・マンニ。
その息子ブルーノ役のキース・スキナーは、この後『ロミオとジュリエット』(68)にも出ているようです。

こちら↓が予告篇のようですが、動物さん受難の場面や、性的ニュアンスの濃厚な場面がありますので、ご注意ください。

 
 
 

ロケ地

IMDbには記載がありません。

例によって、ウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

興味はこの一点、あの村はどこよ? ですが、幸いフランス語版Wikipediaに情報がありました。

Le film est tourné exclusivement en extérieur dans le village du Rat, hameau de la commune de Peyrelevade sur le Plateau de Millevaches, en anglais et français. Toute l’équipe de production, hébergée ici et là, s’était installée dans la région, même Jeanne Moreau, pour la durée du tournage.

というわけで、PeyrelevadeのRatというところ。Googleマップでは「ル・ラ (Le Rat)」となっています。
何度となく写る村の中心(学校の前)のちょっとした広場はこちら。

SVは利用できませんが、家々の屋根の形で判定しました(Google Earthの2006/3/21の画像が見やすいです)。

学校は広場の南側。
ヒロインが乱れた姿でやってくるのは、東側の坂。ラストでクルマが去って行くのも同じ。

教会

最初のタイトルバックの他、0:07頃鐘を鳴らす場面で一部写っています。

Chapelle du RatW

マップ画像では木々に隠れてはっきりとは見えませんが、上記村の中心から見て北西側にある小高い山の頂きにあるようです。

タイトル« MADEMOISELLE »が出るショットの左端に特徴的な十字架が見えます。
教会の建物の西側、小山の東西に通る尾根道沿いの、北側に向かって見晴らしの良いあたりでしょうか。

半世紀以上前の映画ですが、教会も十字架も同じようなたたずまいで村を見守っているように見えます。

資料

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更新履歴

  • 2018/03/11 タグ「ジャンヌ・モロー」追加
  • 2018/02/26 新規アップ

References

References
1 音楽は無いはずですが、IMDbその他映画サイトの資料では音楽アントワーヌ・デュアメルとなっています。DVD版本編にはクレジットがありません。
2 上述の通り、DVD版本編のクレジットを見る限り、シナリオがジャン・ジュネとなっていて、デュラスの名前はありません。

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