『ラ・カリファ』 La califfa (1970)

La Califfa

至高の音楽

作品メモ

少し前、元が映画音楽だとは知られていない曲と映画について何本か書いていましたが(→ タグ「音楽だけ有名」)、その流れでもう1本。

日本未公開映画”La Califfa”です。便宜上カタカナのタイトルをつけました。
音楽の方は傑作揃いのエンニオ・モリコーネ作品の中でもひときわ輝く名曲で、”La Califfa”というタイトルを知らなくてもどこかで耳にしたことはあるはず。
動画サイトでも様々なアレンジで大量の曲がアップされています。

ストリングスで始まる2分40秒ほどのインストの曲がオリジナル。
ヨーヨー・マが弾くは、サラ・ブライトマンが歌うは、スウィートボックスがR&Bしてしまうはで、アレンジされまくってます。
下の方にかんたんなリンク集をつくってみましたのでご参考までにどうぞ。

多作のモリコーネ、埋もれてしまっている作品も多いですが、この映画はサントラもちゃんと出ています。

La Califfa 私が持っているのはこれ。
確かいっときサントラが入手できなかった時期があり、渋谷のタワレコで見つけて飛びつきました。
この盤では8曲目に収録されています。
つまり”La Califfa”という映画の”La Califfa”というタイトル曲。

La Califfa これは米盤。

ラ・カリファ これは日本盤も出ているバージョン。
ボーナストラックがたっぷり入っていて、今から買うならこちらかも。

というぐあいに曲の方はかなりメジャーかと思われます。
でも映画の方はどうでしょう?
以前『ミッション』のエントリーで、「ガブリエルのオーボエ」に比肩し得るのは「ラ・カリファ」だけ、と書いてしまいましたが、『ミッション』ならそこそこ知られているでしょうけど、映画『ラ・カリファ』はいったいどれだけの人がご覧になったことやら。

少なくとも日本では未公開。おそらくビデオ化や放送もなかったと思います。
ヨーロッパではDVDが何種類か出ていますので、今から見るとなるとそちらが頼り。
私はフランス盤DVDにて鑑賞。
フランス語吹替えで字幕無し。ストーリーは雰囲気だけで把握(汗)。 なので内容は正確には理解していないかも、という前提ですが、ざっくりご紹介しますと……

イタリアのとある町での労働争議の話です。
ヒロインは争議の混乱の中で夫を亡くした女性。”La Califfa”は彼女を指すようです。
この「カリファ」、イタリア語はよくわかりませんが、英題は”The Lady Caliph”。
つまり女性版「カリフ」→「女帝」という感じでしょうか。夫を労働争議の最中に殺された誇り高き未亡人という設定ですね。
その彼女、夫に代わり運動の先頭に立つわけですが、本来敵であるはずの工場経営者と何度か対立するうちに、彼が他の資本家たちとは違った考えの持ち主であることがわかります。
やがて男と女として惹かれあっていく2人。
男はより労働者寄りの立場を強めていくのですが、それをこころよく思わない他の経営者グループはとある手段に出て……

といった社会派ドラマ+メロという内容です。

ヒロイン、イレーネ・コルシーニ(Irene Corsini)にロミー・シュナイダー(Romy Schneider)。
お相手の工場経営者アニバーレ・ドベルド(Annibale Doberdò)にウーゴ・トニャッツィ(Ugo Tognazzi)。
その妻クレメンティーネ(Clementine)にマリナ・ベルティ(Marina Berti)。
その息子ジャンピエロ(Giampiero)にマッシモ・ファリネリ(Massimo Farinelli)。

La Califfa 原作はアルベルト・ベヴィラックァ(Alberto Bevilaqua)で、こちらが原作本。
サントラと同じスチル使ってますね。
で、原作者自身が脚色しメガホンまでとって映画化。
これが初監督作品で、この後も10本ほど撮っているようです。

製作マリオ・チェッキ・ゴーリ(Mario Cecchi Gori)、撮影ロベルト・ジェラルディ(Roberto Gerardi)。

上記のようにセリフや物語を完全に理解したわけではありませんので内容について偉そうなコメントは控えた方が良いのでしょうけど、少しだけ書きますと、やはり日本未公開というのはそれなりに理由があったのかなあと思うところが少し見受けられました。
このサイトでは、良い映画なのになぜかDVDが出ていない映画は「DVD化希望」というタグを付けていますが、この映画は付けて良いものかどうかためらっている次第。音楽だけならサントラで十分なわけですし……。

ただ主役のロミー・シュナイダーは、こういう役柄が似合っているかどうかは別として、本当に凛として美しく、それだけでも見た甲斐はありました。(小声で付け加えると)大胆なシーンもしっかりこなしているという、そういう意味でもわざわざ輸入盤を買って良かったと思える今日この頃。

離愁 [DVD] ロミー・シュナイダーを1本挙げろと言われたら個人的には『離愁』でしょうか。
以前出たDVDがプレミア価格になっています。
こちらは文句なしに再DVD化希望映画。

  ※『離愁』次のエントリーで書きましたのでよろしかったらどうぞ。 → 『離愁』

“La Califfa” カバー

いろいろなバージョンがあるので、簡単なリンク集を作ってみました。
もちろん全部を網羅しているわけではありませんが、目安にどうぞ(リンク先はYouTube)。

名だたるアーティストたちはもちろんですが、アマチュアの方たちが一生懸命演奏する姿もとても良いものですね 🙂

※2013/01/22追記
メールで情報寄せていただきました(どうもありがとうございます♪)。
ドラマ『氷壁』でおなじみリベラも吹き込んでいました。

これも素敵ですね~。
言うまでもありませんが、お気に召したらぜひこれらの曲をちゃんとお買い求めになってくださいね。

『ルーブル美術館』サントラ

1985~86年にNHKで放送された『ルーブル美術館』では、エンニオ・モリコーネの未公開映画のサントラが多用されていましたが、『ラ・カリファ』からもいろいろ使われていました。
『ルーブル美術館』のサントラでチェックしますと、

  • [1] 永遠のモナ・リザ LA CALIFFA (GENERIQUE DE LA SERIE)
    → 毎回流れたいわばテーマ曲ですが、『ラ・カリファ』サントラの[14]”Prima e dopo l’amore”です。
  • [7] 魂の画家レンブラント L’EXIL INTERIEUR DE REMBRANDT LE TEMPS DE RUBENS ET DE REMBRANDT
    → 『ラ・カリファ』サントラの[11]”La pace intteriore”
  • [12] 古代エジプト幻想 LA CALIFFA (LES PEREGRINATIONS DE CAMILLE COROT –GENERIQUE DE LA FIN)
    → 『ラ・カリファ』サントラの[1]”Sangue sull’asfalto”

“La Califfa”も流れたような記憶もあるのですが、『ルーブル美術館』のサントラには収録されていません。これは単なる記憶違いかもしれませんが。

ロケ地

IMDbでは記載がありません。
イタリア語版Wikipediaでは、

Filmed in Parma (Emilia-Romagna), Spoleto (Perugia, Umbria), Terni (Umbria), Colleferro and Cesano di Roma (Rome).

これらの町の画像やウェブマップなどをチェックしながら、手探りで見つけていきました。

OP

いきなりの流血場面。
設定ではパルマのようですが、撮影場所はスポレート SpoletoW
具体的には、こちらの前の広場のようです。

スポレートのドゥオーモ Duomo di Spoleto(サンタ・マリア・アッスンタ聖堂 La Cattedrale di Santa Maria Assunta)

Duomo di Spoleto (La Cattedrale di Santa Maria Assunta)W

ラ・カリファ 広場

救急車が走り去るショットで、背景に写る特徴的な柱はこの教会のもの。
また呆然と歩いてくるロミー・シュナイダーの背後に見える階段は、こちらの画像の手前に写っている階段、つまり教会の向かい側にあることになります。

階段はこちらからのアングルの方がわかりやすいかもしれません。

  • http://www.flickr.com/photos/zakmc/4372608838/
  • http://www.flickr.com/photos/pek/4378801704/

大きな橋

ラスト近く、背景に大きく写る昔の橋。
冒頭の広場同様、スポレートにあるこちら。

Ponte delle Torri
(The Ponte delle Torri of Spoleto  塔の橋)

カメラ位置は橋の南側。

ラ・カリファ 背景の橋

資料

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