作品メモ
『東京暗黒街・竹の家』、『東京ジョー』、『東京ファイル212』とTokyoを3本続けたあと、『双頭の殺人鬼』で寄り道してしまいましたが、寄り道ついでにもう一本。
こちらは未公開、ビデオスルーのホラー映画です。
主な舞台は京都市郊外にある古家。
かつて妻の浮気現場を見た当主が妻と相手を斬殺、自らも切腹して果てたという事件が起きたところで、以来「出る武家屋敷」として知られている物件です。
ところが来日した外国人一家が、止せば良いのに日本情緒を求めてその家を住まいとしたところから、怪事件が次々起きるという正統的お屋敷もののホラー。
外国人が日本の家で恐怖を味わうというお話を日本で撮影……という点では、『THE JUON/呪怨』みたいな感じですね。
詳しい作品解説や物語は、ホラー系のサイトやブログなどであれこれ取り上げられていると思いますので、そちらをご覧ください。
日本人スタッフが加わり、京都のスタジオも使っていることもあって、考証は意外にまとも。
「なんちゃって日本」を笑い飛ばそうとするとけっこうスベったりします。
とはいえ『東京ファイル212』や『双頭の殺人鬼』に比べればかなり痛いところもありまして、珍作微妙作と言われてもしかたがないところもありましょうか。
神社仏閣が次々登場したり舞妓さんたちがシャイな感じでお辞儀したりといったステレオタイプな京都像とは違い、人里離れた古家が舞台なので、京都である必要がないみたいですが、後述のように撮影地は実際の京都市です。
映画ファンとしての見どころは、やっぱりスーザン・ジョージはんと服部まこはんの競演でっしゃろか。
スーザン・ジョージが撮影で来日していたこともびっくりですが、ふたりが共演していたこともびっくり。さらにお二人ともお父さん大喜びのサービスカット有りということで、大変珍しくも有り難い作品となっております。
服部まこさんは今では「真湖」と表記するようですが、個人的には「まこ」以外の何者でもありません。
出演映画で他に記憶に残るのは『青春PARTII』ぐらいでしょうか。『パンツの穴』も見たはずですが、ほとんど記憶にないような。
監督は『地獄のモーテル』のケヴィン・コナー。……ということでスプラッターな描写がしっかりとあります。
ご覧になる際はご注意を。
ロケ地
IMDbでは、
Tokyo, Japan
Toei-Kyoto Studios, Kyoto, Japan
舞台となる家(外観)
主な舞台となる古家。
最初にテロップで「KUSHIATA KYOTO, JAPAN 越畑(こしはた) 京都 天保11年」と出ますが、実際に京都市右京区嵯峨越畑北ノ町にある、昔の武家屋敷です。
個人の物件と思いますが、京都市の有形文化財となっていること、地名からすぐにわかること、ブログ等で画像や紹介文が多くアップされていることを考えて、書いても構わないだろうと判断しました。
「京都 河原家住宅」で検索するといろいろ出てくると思います。
映像をチェックすると一家がやってくる場面など内部も一部こちらでの撮影ではないかと思われるのですが、プライベートな物件でもあるということで、これ以上の詮索は避けることにします。
カメラ店
0:31頃。
IMDbのリストにもある東映京都撮影所のすぐ近く。
関連記事
昔の日本が舞台の外国映画
- 『Mishima: A Life In Four Chapters』 Mishima: A Life In Four Chapters (1985)
- 『OSS117/東京の切り札』 Atout coeur à Tokyo pour O.S.S. 117 (1966)
- 『Stopover Tokyo』 Stopover Tokyo (1957)
- 『ゴースト・イン・京都』 The House Where Evil Dwells (1982)
- 『サヨナラ』 Sayonara (1957)
- 『ザ・ヤクザ』 The Yakuza (1974)
- 『トコリの橋』 The Bridges at Toko-Ri (1954)
- 『ブラック・レイン』 Black Rain (1989)
- 『モスクワわが愛』 Москва, любовь моя (1974)
- 『双頭の殺人鬼』 The Manster (1959)
- 『惑星ソラリス』 Солярис (1972)
- 『東京ジョー』 Tokyo Joe (1949)
- 『東京ファイル212』 Tokyo File 212 (1951)
- 『東京暗黒街・竹の家』 House of Bamboo (1955)
- 『歩け走るな!』Walk Don’t Run (1966)
- 『追撃機』 The Hunters (1958)
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