箱根の両面宿儺
作品メモ
『東京暗黒街・竹の家』、『東京ジョー』、『東京ファイル212』と見てきて、もう一本“Stopover Tokyo”をチェックするつもりでしたが、ちょっと寄り道。
『東京ファイル212』で少し触れた『双頭の殺人鬼』です。
製作者ジョージ・P・ブレイクストン(George Breakston)が手がけた作品中、現在日本でソフトになっているのはこれ一本という代表作(?)。
こちらは、製作・原案の他、監督にまで名前を連ねています。
IMDbで同氏のフィルモグラフィを見ると、『東京ファイル212』(’51)の後に、製作・監督作として、
- 1952 Geisha Girl (as George Breakston) … 『ゲイシャガール』
- 1951 Oriental Evil … 『運命』
といった怪しげでそそられるタイトルが並んでいます。
『東京ファイル212』含めてすべて中村哲さんが出演。
この『双頭の殺人鬼』では、中村哲さんはほぼ主演に近い活躍。山あいに研究所をかまえ、身近な者を次々モンスターに改造してしまうマッドサイエンティストを演じています。
犠牲になる主人公は来日した記者……とまたこのパターン。
研究所を取材に訪れた際、博士に一服盛られて寝てしまいます。その間に首筋に注射を打たれて、やがてそこからもうひとつ首が生えてくるというホラーな展開です。
これ以上の作品内容についてはそれ系のサイトであれこれ紹介されていると思いますので、 省略。
監督としてクレジットされているもうひとりはケネス・G・クレイン(Kenneth G. Crane)。
後にやはり日本が舞台のマッドサイエンティストもの、『エド・ウッドのX博士の復讐』(1970・ビデオスルー)を撮っていたりして、この手の映画の血脈は断たれることはないのでありました。
撮影デヴィッド・メイソン、音楽小川寛興。
ロケ地
IMDbでは、
Japan
だけなので役に立ちません。
研究所はスタジオ撮影でしょうけど、東京などでロケも行っているようです。
ただ、夜の場面ばかりでこれといったロケ地はなかなか特定できません。
ホテル
0:18頃、左から右へパンしたカメラが捉える立派なホテル。
箱根の宮ノ下温泉、富士屋ホテルですね。
富士屋ホテル
http://www.fujiyahotel.jp/
めずらしく自前の画像。
何度か行っているはずですが、これは撮影日付を見ると2005年となっています。
泊まるとそれなりのお値段ですが、お茶やランチだけでも十分雰囲気を味わます。
映画に登場する内部の施設もこちらなのかは不明。
ホテルの沿革はこちら↓ですが、『双頭の殺人鬼』の撮影に使われたとは書かれていません(汗)。
http://www.fujiyahotel.co.jp/ja/history/index.html
関連記事
昔の日本が舞台の外国映画
- 『Mishima: A Life In Four Chapters』 Mishima: A Life In Four Chapters (1985)
- 『OSS117/東京の切り札』 Atout coeur à Tokyo pour O.S.S. 117 (1966)
- 『Stopover Tokyo』 Stopover Tokyo (1957)
- 『ゴースト・イン・京都』 The House Where Evil Dwells (1982)
- 『サヨナラ』 Sayonara (1957)
- 『ザ・ヤクザ』 The Yakuza (1974)
- 『トコリの橋』 The Bridges at Toko-Ri (1954)
- 『ブラック・レイン』 Black Rain (1989)
- 『モスクワわが愛』 Москва, любовь моя (1974)
- 『双頭の殺人鬼』 The Manster (1959)
- 『惑星ソラリス』 Солярис (1972)
- 『東京ジョー』 Tokyo Joe (1949)
- 『東京ファイル212』 Tokyo File 212 (1951)
- 『東京暗黒街・竹の家』 House of Bamboo (1955)
- 『歩け走るな!』Walk Don’t Run (1966)
- 『追撃機』 The Hunters (1958)
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