作品メモ
(ちょっと昔の)日本で撮影された外国映画を続けていますが、こちらはほんの少しだけ日本が登場。
第二次世界大戦下、日本からドイツ占領下のフランスに生ゴムを輸送しようとする船長と、それを阻止せんと送り込まれたスパイの姿を描きます。
気になる「モリツリ」ですが、映画の最初に、
MORITURI TE SALUTANT
(THOSE WHO ARE ABOUT TO DIE SALUTE YOU)
-ROMAN GLADIATORS’ SALUTE TO CAESAR
と出ます。ラテン語のようですね。
「モリ」はきっと「メメント・モリ」の「モリ」と同じなのでしょう。英語のmortalあたりの語源にもなっていそう。
……とわかったところでやっぱりタイトルはしっくりきませんが、とにかく狭い船上での人間ドラマが濃密に描かれ、異色の、でも面白い映画に仕上がっていると思います。
輸送を妨害するために送り込まれたロバート・クレインにマーロン・ブランド。船の自爆装置を解除した上で、貴重な大量のゴムを逆に連合国側のものにしようというのが目的です。
船長ミューラーにユル・ブリンナー。
航海士にマルティン・ベンラート。
途中で乗船する紅一点エスターにジャネット・マーゴリン。フィルモグラフィーに『アニー・ホール』とありますが、思わずどの役だったか確認してしまいました。
クレインの弱みにつけこんで任務にあたらせたスタッター大佐にトレヴァー・ハワード。
製作アーロン・ローゼンバーグ、監督ベルンハルト・ヴィッキ。
撮影コンラッド・L・ホール、特殊効果L・B・アボット、音楽ジェリー・ゴールドスミス。
ロケ地
IMDbには記載なし。
冒頭以外はすぐに出航して海の上の話になりますので、ロケ地的にはほとんどチェックする場面がありません。
『サヨナラ』や『八月十五夜の茶屋』と違ってマーロン・ブランドも(おそらく)来日していないことでしょう。
JAPAN 1942
OP、「1942年日本」というテロップ。
一瞬どこ?と思ってしまいますが、銀座四丁目の交差点で、背景の建物は銀座三越。
実際に戦前の映像のように見えます。資料映像でしょうけど、かなり貴重ですね。
それ以外、たとえば東京のドイツ大使館前などは、すべてセットでしょうか。
INDIA
川を写したショット。
インドという設定ですが、場所不明。
ホテル
話しながらぐるりと回廊を歩く場面。
これは『ブレードランナー』でセバスチャンのアパートとして登場していたあのビルですね。
Bradbury BuildingW
304 S. Broadway, Downtown, Los Angeles, California, USA
確かに独特の装飾は、インドとまではいかなくてもエキゾチックな雰囲気をかもし出しているかもしれません。
IMDbのリストにはないようですので、ちょっとした収穫でした。
関連記事
昔の日本が舞台の外国映画
- 『Mishima: A Life In Four Chapters』 Mishima: A Life In Four Chapters (1985)
- 『OSS117/東京の切り札』 Atout coeur à Tokyo pour O.S.S. 117 (1966)
- 『Stopover Tokyo』 Stopover Tokyo (1957)
- 『ゴースト・イン・京都』 The House Where Evil Dwells (1982)
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- 『モスクワわが愛』 Москва, любовь моя (1974)
- 『双頭の殺人鬼』 The Manster (1959)
- 『惑星ソラリス』 Солярис (1972)
- 『東京ジョー』 Tokyo Joe (1949)
- 『東京ファイル212』 Tokyo File 212 (1951)
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- 『歩け走るな!』Walk Don’t Run (1966)
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