『孤高の警部 ジョージ・ジェントリー』 Inspector George Gently (2007– )

George Gently [Import anglais]

目次

作品メモ

このところVODで見られる作品を続けていますが、ひと休みしてAXNミステリーで放映された英国ミステリードラマ。
1年以上前に一押しのドラマとして『刑事フォイル』のエントリーをリキ入れて書きましたが、あちらが第二次大戦の戦中から戦後にかけてのお話なら、こちらは60年代が舞台。
やはり殺人事件の解明を軸に、世相を織り込みながらその時代に生きた人々を描いてみせるという趣向で、負けず劣らず非常に見応えのあるシリーズだと思います。

イギリスではBBC Oneで2007年から放送。
今年(2015年)シーズン7まで放送され、AXNミステリーでも放送済みですが、その先続くかどうかは不明。

The Original Inspector George Gently Collection

オリジナルドラマだった『刑事フォイル』に対し、原作があるようです。
アラン・ハンターというあまりなじみのない作家ですが、主な著作がこのジェントリー警部シリーズで、翻訳はされていない模様。

こちら↓はシーズン7(第20話~)のトレーラー

 
 

キャラクター

ジョージ・ジェントリー警部にマーティン・ショウ(Martin Shaw)。
正義感が強く、平気で上の者ともやりあうところなどは刑事フォイルと似通っていますが、フォイルが有名大出身のエリート警視正だったのに対しジェントリーはいわば労働者階級のたたき上げという設定。ボクシングが好きで、時折腕っぷしを披露してしまうところもあり、キャラがだいぶ違います。
プライベートでは、第二次大戦中にイタリアで知りあった美人の奥さんがいましたが、第1回でいきなり残念なことに……
子供はなく、オフの時はスコッチを飲むか、サンドバッグを叩いたりしています。

長年スコットランドヤードに勤務していましたが、警察内部の腐敗に立ち向かったために疎んじられ、最愛の妻も失い、警察を去る最後の「ひと仕事」として、北イングランドの町ダラムでの事件を担当するところからドラマが始まります。

そこで知りあった現地警察署のジョン・バッカス巡査部長にリー・イングルビー(Lee Ingleby)。スコットランドヤードに転勤することを夢見る良くも悪くも若さがたっぷりの男。警部とは何から何まで正反対のキャラで、しょっちゅう周囲や視聴者をイラっとさせるような言動をとったりしますが、刑事として時折きらりと光るところを見せたりします。
プライベートでは、署のお偉いさんの娘と結婚しています。

もともと最後の「ひと仕事」のつもりだったジェントリー警部ですが、バッカスに才能と危うさの両方を感じとり、そのままダラムにとどまって彼の成長を辛抱強く見守る道を選びます。
ベテランと若手というこの2人組が毎回事件を解決していくわけですが、バディものというよりは師匠と弟子で、いわばジェダイマスターとパダワン。

準レギュラーとしては、パイロット版を含めて多くの回に登場していたテイラー巡査にサイモン・ハバード(Simon Hubbard)。大柄で温和ななごみ系キャラですが、主に内勤としてきちんと業務をこなし、チームを助けます。

またシーズン6からは女性もレギュラー入り。
レイチェル・コールズ巡査にリサ・マクギリス(Lisa McGrillis)。男性社会の中でつぶされかけたところを、ジェントリー警部に見出されチームの一員となります。とても有能で、バッカスもうかうかしていられません。
 

舞台

主な舞台はイングランド北東部のダラムW
ニューカッスルの名前も、近くの都会としてよく出てきます。時代設定は違いますが、『ヴェラ ~信念の女警部~』で登場したところですね。

ロケ地はIMDbの全体ページでは、

Durham, County Durham, England, UK
Ireland

ですが、各エピソードのページに個別に書かれている場合もあります。
気になった場所は下のエピソードリストの中で具体的にチェックしました。
最初の頃はアイルランドでの撮影も多いようですね。60年代のイギリスを表現するとなると、適切なロケ地が少なくなっているのかもしれません。

クルマ

60年代のイギリスのクルマがあれこれ登場します。
例によってIMCDbの受け売りですが……
最初の頃バッカスが乗っていたのは、1967 MG BW

IMCDbではエピソード毎にまとめられています。

エピソード&ロケ地

執筆現在(2015年12月19日)日本語版Wikipediaの項目がないようですので、こちらでエピソードリストを作っておきました。
『刑事フォイル』で懲りたはずでしたが、他にうまい表現方法がみつからず、またもや全エピソードを1ページにまとめてしまっています。

  • 英題のリンクはIMDbのエピソード毎のページヘ飛び、邦題のリンクはAXNミステリーのエピソード毎のページヘ飛ぶようにしてあります。
  • AXNミステリーでは通し番号だけ使われています。
  • 英語版Wikipediaではエピソード1をパイロットとして別シーズン扱いしています。
  • 日付はイギリスでの放送日。
  • ロケ地は例によってウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

第1話(S1E1/Pilot) 再挑戦の始まり Gently Go Man

07/04/08
1964年ロンドン。
妻イザベラ(Isabella)の葬儀から始まります。
仇敵ウェブスター役はフィル・デイヴィス。最近では『ホワイト・チャペル』でたたき上げの刑事役としてレギュラー出演。この俳優さん、いつも西村晃さんを連想してしまいます。

ダラム郡警察本部

DURHAM COUNTY POLICE HQ
赤煉瓦造りのクラシカルなたたずまい。調査中。
この建物はパイロット版だけで、2話目以降は別の建物が登場し、さらにその後も別の赤煉瓦造りの建物となっています。

湖を見下ろす道

0:16頃
ジェントリーとバッカスが初めて会った事故現場。
撮影はアイルランド、Wicklawのこちら。

テイ湖W

By kilgarron
via flickr
(CC BY-2.0)

ちょうどこのアングル。
カメラ南向き。

聖堂内部

舞台となるダラムにも大聖堂がありますので、設定としてはそちらということかもしれませんが、パイロット版で撮影に使われたのはダブリンにあるこちら。

クライストチャーチ大聖堂W

By Miedema8
via Wikimedia Commons
(CC BY-SA-3.0)
夜の海岸

ジェントリーがチャイナと待ち合わせた海岸。
撮影場所としてはアイルランド、グレイストーンズ(Greystones)のこちらの港のあたりと思われますが……

その後整備され、今ではだいぶ地形が変わっています。
Google Earthの時間スライダーで2005年まで遡ると、当時の雰囲気を確認できます。

By Irish Typepad
via Wikimedia Commons
(CC BY-SA-2.0)

こちらは2005年撮影ということで、おそらく撮影当時もこういった感じだったと思われます。

チャイナが話しかけてきたショットの背景はこのあたりの建物。

第2話(S1E2/S1E1) 裏切りの末路 The Burning Man

08/07/13
情報屋「チャイナ」役の俳優さんが、Sean McGinleyからトニー・ローア(Tony Rohr 『デレク』の父親役の人)に代わっています。

第3話(S1E3(/S1E2) 偶然が犯した罪 Bomber’s Moon

08/07/20

事件現場の港

設定はノーサンバーランドですが、撮影は第1話夜の海岸の場面で登場したアイルランド、Greystonesの港。
前述の通り今では整備され、防波堤が一新、内側に駐車場などができています。

By William Murphy
via flickr
(CC BY-SA-2.0)

この画像は、オープニングのショットとほとんど同じアングル。
2007年7月撮影とのことで、第3話放送の前年のものですね。

By William Murphy
via flickr
(CC BY-SA-2.0)

腕組みするバッカスの背景。

警部がやってきたのは、こちらの碇のオブジェのそば。

ホテル

“REDDENHURST HOTEL”という設定。場所不明。

第4話(S2E1) 沈黙は永遠に Gently with the Innocents

09/03/03

防波堤

0:56頃、コーラ・デヴィッドソンがいたところ。
全エピソード中、1,2を争う悲しいお話に相応しい景色でした。
撮影場所は、アイルランド、ハウス(Howth)の港。
彼女がいたのはこのあたり。

警部たちがやってくるショット。

特徴的な形の小島は、アイルランズ・アイ(Irelands’s eye)Wと呼ばれているようです。

By tutu
via flickr
(CC BY-SA-2.0)

引いて見た画像ですが、3人が話していたのは、防波堤の曲がったあたり。
島は思ったより間近で、ドラマではかなりの広角で撮っていたことが判ります。

第5話(S2E2) 奔放への報い Gently in the Night

09/03/10
1964年ニューキャッスル。
カジノ「レークス」のオーナー、パトリック・ドノヴァンに『ダウントン・アビー』のブレンダン・コイル。

第6話(S2E3) 憎しみの残影 Gently in the Blood

09/03/17
1964年サウスシールズ

第7話(S2E4) 新たなる挑戦 Gently Through the Mill

09/03/24 製粉所、選挙戦
候補者ジョフリー・パーショーに『ノッティングヒルの恋人』のティム・マッキナリー。

フリーメイソンの館

1:00頃。

ダブリン城WのBedford Hall

By Derek Winterburn
via flickr
(CC BY-ND-2.0)

外観だけではなく、内部もこちらでの撮影のようです。

© Copyright Joseph Mischyshyn
and licensed for reuse
under this Creative Commons Licence

階段ホール

By erlc
via flickr
(CC BY-2.0)

廊下

By Alex Lecea
via flickr
(CC BY-2.0)

ホール

第8話(S3E1) 隠された正体 Gently Evil

10/09/26
このシーズンから1966年となりました。
字幕も「ニューキャッスル」と「ニューカッスル」で揺れています。

海沿いの道

0:17頃

第9話(S3E2) 混沌のキャンパス Peace and Love

10/10/03

現場

Railway Bridge, Weardale Railway, Stanhope, County Durham, England, UK
(David Swift’s body is discovered on the railway track)

サッカー場

0:03

大学

0:06

設定ではダラム大学W
ジェントリーたちが入っていったのは、大学を構成するカレッジのひとつ。

University College, DurhamW
ダラム城W

By Jungpionier
via Wikimedia Commons
(CC BY-SA-2.0)

#10(S4E1) 破滅への道 Gently Upside Down

11/09/04
1966年ダラム 原題の”Upside Down”はドラマの中の若者向けテレビ番組名

川縁

放課後2人が歩いていたのは、『ヴェラ 信念の女警部』でおなじみのニューカッスル、タイン川沿い。

屋上

0:25頃
2人に話を聞いていたのは、こちらの屋上。

第11話(S4E2) 裁かれる者 Goodbye China

11/09/11
第1話-第3話で登場していた情報屋の不審死 「新時代」(the future)到来
リズ・トンプソン婦警にルシー・アクハースト(Lucy Akhurst)。

警察署

このエピソードでは警察署外観がたっぷり写ります(0:03,0:31)
IMDbにこちらの名前がありましたが、ここではないようで……。

Tudhoe Grange School, Durham Road, Spennymoor, County Durham, England, UK
(police station where Gently and Bacchus work)

……実際には第12話のIMDbのリストにあるこちらと思われます。

Durham Johnston School, Whinney Hill, Durham, England, UK (Police Station)

橋のそば

チャイナと最後に会ったところ。
橋はダラムのElvet Bridge。

モロイ夫妻の住まい

0:23頃
第20話でバス停留場として登場したところと同じ通りでした。

釣り

0:44

第12話(S5E1) ノーザン・ソウルの夜に Gently Northern Soul

12/08/26
1968年ニューカッスル
このシーズンから1968年。

「カールトン」(内部)

Town Hall Theatre, Raby Road, Hartlepool, County Durham, England, UK
(Carlton Club – interior)

ケニーの住まい

East Atherton Street, Durham, England, UK (The Kenny’s home)

第13話(S5E2) 歌声の行方 Gently With Class

12/09/02
1968年ノーサンバーランド

Silver DaggerW

 
 
 

ブラックストーン家

門から邸宅まで果てしなく敷地が広がります。
設定ではアバーウィック・ホール(Abberwick Hall)と呼ばれていますが、実際の撮影はこちら。

Biddick HallW, Bournmoor, Chester-le-Street, County Durham, England, UK

途中で通った橋と門は、3kmほど西のこちら。

第14話(S5E3) 消えた子供 The Lost Child

12/09/09

風車

1:05
グローブス夫人がとある人物と会っていたところ。
使われていない石造りの風車。
調査中

第15話(S5E4) ジェントリー汚職疑惑 Gently In The Cathedral

12/09/16
劇的な一本。ジェントリー警部の孤高の闘い、ここに極まれり。
シーズン5の掉尾ということで、もしかするとこれでシリーズ終了も考えていたのではと、思ってしまいます。

大聖堂

ダラム大聖堂(Durham Cathedral)W, Durham, County Durham, England, UK (Durham Cathedral)

外観は他のエピソードで何度か登場しますが、内部を含めてこれだけ大事な舞台となるのはこのエピソードだけではないでしょうか。

By Reinhard Dietrich
via Wikimedia Commons
(public domain)
By Ieuan Jenkins
via flickr
(CC BY-2.0)

第16話(S6E1) 死の真相 Gently Between The Lines

14/02/06
1969年ニューキャッスル
再開発地区の立ち退き騒動
前回の壮絶なラストから1年後の設定で、いよいよ60年代も最後。放送日も1年4ヶ月ほど空いています。
レイチェル初登場。

警察病院

印象的な建物ですが、場所は不明

警察署

このシーズンから警察署がまた変わったでしょうか。
IMDbにはあいかわらずこちらの名前がありますが、ここではないようで……。

Tudhoe Grange School, Durham Road, Spennymoor, County Durham, England, UK (police station where Gently and Bacchus work)

第17話(S6E2) キャンプ場に潜む闇 Blue for Bluebird

14/02/13
1969年ソルトバーン

桟橋

Saltburn PierW

By Archangel12
via flickr
(CC BY-2.0)
By John Lord
via flickr
(CC BY-2.0)

ケーブルカーがすぐそばに迫っているという、とてもおもしろいところですね。

第18話(S6E3) ホープウッドの秘密 Gently With Honour

14/02/20
1969年レッドカー
サウナでの殺人事件 軍の秘密研究所 容疑者の兄

ホープウッド

施設の撮影に使われた建物が気になりますが、不明。

第19話(S6E4) 炭坑町の闘い Gently Going Under

14/02/27

第20話(S7E1) 被害者の声 Gently with the Women

15/04/29
1969年ダラム

娼家のある坂

IMDbのリストにあるこちらの通り

Crossgate, Durham (Brothel)

現場近くの橋

ダラム大聖堂の南西側に架かるこちらの橋。

プレベンズ橋(Prebends Bridge)W

By Tom Bastin
via flickr
(CC BY-2.0)
歩行者用の橋

ダラム大聖堂の東側に架かるこちらの橋。

キングスゲート橋(Kingsgate Bridge)W

By Andrew Bowden
via flickr
(CC BY-SA-2.0)
ジェマと話した防波堤

ダラムから東へ25,6kmのこちら。

ハートルプール(Hartlepool)W

防波堤はWikimapiaではThe Heugh breakwaterとなっています。

By Andrew Curtis
(http://geograph.org.uk)
via Wikimedia Commons
(CC BY-SA-2.0)

マップは略しますが、ジェマの住まいは近くにある良さげなテラスハウス。
刑事のお給料で住めるところなのでしょうか??

バス停留所

バス停留所前として登場した街角はダラム市内のこちら。

第11話でモロイ夫妻の住まいがあった通り。

第21話(S7E2) 巨悪への挑戦 Breathe in the Air

15/05/06
1969年ノーサンブリア
閉鎖された工場 アスベスト被害 レイチェルの少女時代
レイチェルの知り合いの夫婦に、ニコラス・ウッドソンとレスリー・ニコル。

工場

イースターホープという設定。

第22話(S7E3) ゆがんだ友情 Gently Among Friends

15/05/13
1969年ニューカッスル
3人の幼なじみ 街の再開発 清掃局のストライキ

橋の下の現場

ニューカッスル、タイン橋(Tyne Bridge)W北側。

By James Crldland
via flickr
(CC BY-2.0)

第23話(S7E4) 若者たちの叫び Son of a Gun

15/05/20
1969年ダラム
クリスマス

ロケ地マップ

 
 
 

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更新履歴

  • 2015/12/20 新規アップ
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