『シャーロック・ホームズとワトソン博士』 Шерлок Холмс и доктор Ватсон (1979)

シャーロック・ホームズとワトソン博士 [DVD]

作品メモ

ひとつ前のエントリー『チャイコフスキー』(1969)が世界中の誰もが知ってる著名なロシア人を主人公にした伝記映画なら、こちらは超有名なイギリス人を主人公にした連続テレビドラマ。
グラナダテレビ版より以前に79年から86年にかけて作られたソ連版シャーロック・ホームズで、製作はレンフィルムです。
先月(2014年1月)AXNステリーチャンネルのホームズ特集でようやく全編鑑賞できました。

http://mystery.co.jp/program/sherlock_watson/index_s01.html

1月はホームズ誕生月とのことで、ミステリーチャンネルだけでも、BBCカンバーバッチ版、ベイジル・ラスボーン版などいくつものシャーロック・ホームズを連発。
さらにNHKBSやチャンネル銀河でもグラナダテレビ版を放送中ですので、録画予約していてもう何がなんだかわからない状態となってしまいました……

ソ連で製作とはいえ、舞台設定はあくまでロンドンで住所標示や新聞などの小道具も英語。
その中でロシア人俳優がロシア語でお芝居しています。
35mmフィルムで撮影されたとのことですが、ちょうど同時期のレンフィルムやモスフィルムの映画を見るような重厚な絵作り。
典雅なテーマ曲が雰囲気をさらに盛り上げます。

 
 

 
総じて原作に対する愛情とリスペクトがたっぷり感じられ、これなら熱心なファンも納得ではないでしょうか。
ただテンポがまた大河のごとくゆったりしていて、カットも長め。
第1エピソードなどホームズのキャラクター紹介が延々続き、最初の依頼者が登場するのが実に開始40分後のこととなっています。
グラナダテレビ版であれば事件が解決して、ジェレミー・ブレットがドヤ顔で暖炉の前に座っている頃です。
ソ連版でなじんだ現地の人たちがカンバーバッチ版を見たら、忙しくて目を回してしまうかもしれません。

キャストは……
シャーロック・ホームズにワシーリー・リヴァーノフ(Василий Ливанов)。独特の声は『チェブラーシカ』のゲーナでした。
盟友ドクター・ワトソンにヴィターリー・ソローミン(Виталий Соломин)。
ハドソン夫人にリナ・ゼリョーナヤ(Рина Зелёная)。
レストレード警部にボリスラフ・ブロンドゥコフ(Борислав Брондуков)。

監督イーゴリ・マスレンニコフ(Игорь Фёдорович Масленников)。

シリーズ構成

ミステリー・チャンネルでは「シャーロック・ホームズとワトソン」というタイトルで「全11話放送」という編制となっていました。
オリジナルは全部で5シリーズ作られていて、それぞれ原語ではタイトルが別となっています。全部並べると11話ということのようですね。
そのうち最初の3シリーズまでは日本でDVDソフトになっていて、そちらにも固有のタイトルがついています。
またエピソードによっては、複数の原作を組み合わせているものもあり、必ずしもタイトルが原作と一致していません。

このあたりちょっとややこしいので下にまとめてみました(間違いがあったらご指摘ください)。

オリジナルの下にDVDのタイトルもつけてあります。リンクはWikipediaへ。
Epはミステリチャンネル放映時のエピソードナンバー。
原作タイトルは日本語版Wikipediaに拠りました(リンクもWikipediaへ)。

タイトル Ep サブタイトル 原作
シャーロック・ホームズとワトソン博士 [DVD] Шерлок Холмс и доктор Ватсон
(1979)
シャーロック・ホームズとワトソン博士
1 交流
Знакомство
Acquaintance
まだらの紐
2 血の署名
Кровавая надпись
Bloody Inscription
緋色の研究
シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険(通常版) [DVD]Приключения Шерлока Холмса и доктора Ватсона
(1980)
シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険
3 恐喝王
Король шантажа
The king of Black mail
犯人は二人
4 決死の闘い
Смертельная схватка
The Mortal Fight
最後の事件
5 虎狩り
Охота на тигра
The Tiger Hunt
空き家の冒険
シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険 バスカヴィル家の犬(通常版) [DVD] Приключения Шерлока Холмса и доктора Ватсона: Собака Баскервилей
(1981)
シャーロック・ホームズとワトソン博士の冒険 バスカヴィル家の犬

6,7 Собака Баскервилей
The Hound of the Baskervilles Part1,Part2
バスカヴィル家の犬
Приключения Шерлока Холмса и доктора Ватсона: Сокровища Агры
(1983)
8,9 Сокровища Агры
(アグラの宝物)
The Treasures of Agra Part1,Part2
四つの署名
ボヘミアの醜聞
Приключения Шерлока Холмса и доктора Ватсона: Двадцатый век начинается
(1986)
10,11 Двадцатый век начинается
(20世紀が始まる)
20th Century Begins Part1,Part2
技師の親指
第二の汚点
ブルースパーティントン設計書
最後の挨拶

実は次にエントリー予定のグラナダテレビ版もこの表に加えてみようかと思っていたのですが、収拾がつかなくなりそうで止めました。
ぜひ全ての原作と映像化作品の見やすいクロス表をどなたかに作って欲しいですね~
でももしかして熱心がファンがすでに作っているかも??

ロケ地

IMDbには記載がありません。
このシリーズについては、膨大な資料が集められたロシア語のファンサイトがあります。
ロケ地についてもサイト内のこちらのページで完璧にまとめられていますが、kmzファイルまでアップされているという、痒いところに手が届きすぎの内容♪

  • http://www.221b.ru/geo.htm

こちらによると、撮影はレニングラード州の他、ラトビア、エストニア、アブハジアといった撮影当時ソ連邦の一部、あるいは自治共和国であった地域で行われているようです。
(実際のロンドン、テムズ川が写るエピソードもありますが、俳優は登場していません。)

こういった資料がある以上いまさら調べても仕方ありませんので、少しだけ引用した他、関連スポットを1箇所取上げてみました。

ベーカー街

第1回でワトソンと連れが221Bへやってくるところ。
上記サイトがなければ、到底場所がわかりませんでした。
曲がった通りは、ラトビアの首都リガのこちら。

Jauniela, Riga, Rīgas pilsēta,

こちらはリガ市内のロケ地マップ。

モスクワ、イギリス大使館脇の像

これだけでは他力本願すぎるので、上記kmzファイルに含まれていない場所をひとつ追加。

Wikipediaの「シャーロック・ホームズ」内、「演じた俳優たち>ワシーリー・リヴァーノフ」のところで

同年モスクワの英国大使館の脇に彼とソローミンをモデルとするブロンズのホームズ・ワトソン像が建立されるなど、近年特に英語圏での再評価が進んでいる。

とありましたので、この物件をチェックしてみました。

ちょっと迷いましたが、モスクワのイギリス大使館の西側に発見。
塀の外にありますので、観光客でも立ち寄れると思います。


大きな地図で見る

Photo by A. Sdobnikov
via Wikimedia Commons (CC-BY-3.0)

画像ではこちら。

Photo by Dondanillo via Wikimedia Commons (CC-BY-3.0)

ホームズ像と並ぶワシーリー・リヴァーノフ氏。

資料

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