『トラップ 凍える死体』 Ófærð (2015)

作品メモ

16年5月からAXNミステリーで放送中の連続ミステリードラマ。全10話。1)前半5話だけゴールデンウィーク中に一挙放送して、5月25日からまた第1話に戻り、今度は毎週1話ずつ放送していくという、あいかわらずワケわからないAXNミステリーの編成です。
悪天候により密室状態となったアイスランドの小さな港町を舞台に、様々な人間模様が交差する殺人事件を描きます。

ミステリーとして緻密に構成されていて、毎回目を離せない展開となっていますが、何より印象に残るのはカメラに収められたすさまじい雪景色。
『ヒンターランド』『シェトランド』とAXNミステリーの「絶景もの」を体験?してきましたが、心底凍り付くような気候の厳しさはこのドラマが図抜けているような気がします。
アイスランドのみなさん、ごめんなさい、私はここで生きていける自信が全くありません。

アイスランドのテレビシリーズでは最も高額の製作費がかけられたこのドラマ(10億アイスランドクローナ = 650万ユーロ)、本国では2015年12月27日からRÚVで放送され、高い視聴率を獲得。
BBC FourやFrance2など各国で放送されているようです。

アイスランド語原題は、”Ófærð” ……って読めませんがな。
英題は”Trapped”。

 
 
 

物語の断面(第5話まで)

いくつもの要素がからまりあい、複雑な物語を構成していきます。
いずれすべて回収されるのでしょうけど、そのときに覚えている保証はない……
ということで、第5話までのところで記憶にとどめておきたい事柄をピックアップしてみました。
多少ネタばれ含むので、折りたたんでいます(クリックで開閉します)。

7年前の事件
第1話冒頭で描かれる、2008年の出来事。
若いカップルが人気の無い施設で楽しんでいたところ、何者かが放火。女性は死亡、男性は生き残ったものの、心と体に傷を負い、町の人からも距離を置かれてしまう。
亡くなった女性は主人公である警察署長の元妻の妹。
人身売買
殺人事件の捜査で乗客を犯罪者リストと照合していたところ、マフィア関係のリトアニア人がいることが判明。
白いバンに若い黒人女性2人を乗せて、強行上陸するも、追跡後逮捕。女性たちはナイジェリア人の姉妹で、人身売買の被害にあっていた。とりあえず女性警察官の家に保護されることに。
背後に大きな組織があると思われ、特にフェリーの船長や機関士などが怪しい感じ。
フェリー
第1話で寄港したデンマークからのフェリー。バラバラ死体が海からあがったため、捜査の対象となり、乗客は足止めをされるが、船長はなぜか指示を無視して降ろそうとする。
第5話の時点で、乗客たちは町の施設で不自由な生活を送っている状態。
バラバラ死体
最初に胴体だけが漁網にひっかかり発見。キッチンナイフのようなもので刺されていて、腎臓のあたりに手術痕あり。フェリー寄港時だったため当初は乗船していた人物ではと推測された。
レイキャビクの警察本部からチームがきて詳しく検死するはずだったが、豪雪のため実現していない。
水産加工場に安置されているところを、画像がネットに流出。しかも何者かに胴体そのものも持ち去られてしまうという事態に。
続いて腕がやはり港で発見。一緒に数日前の町のホテルのバーのレシートが見つかったことから、フェリーの乗客ではないことが判明。一緒に飲んでいた議員は、知らない相手だったと証言。
似顔絵から、時折町に戻ってきては問題を起こしていた男であることがわかる。
開発計画
中国の資本を受け、土地を提供して大々的に港湾施設の再開発を行うかどうか、町を2分する問題となっている。
フラーフェン市長、水産加工場経営者レイヴル、ホテル経営者グッドニ、港湾監督シグルドゥルなどが推進派で、フリドリック議員を巻き込んでいる。
住民説明会で、7年前(2008年)に同じようなことを画策され、失敗していることが示される。

キャラクター

北欧ミステリーもそうですが、どうも人名になじみがないのでなかなか覚えられません。
ネタばれにならない程度にメモってみました。完全に自分用のメモですが、参考にしていただければ幸いです。

……とその前に、アイスランドの人々の名前について、これは覚えておいて損はないので、以下Wikipediaアイスランド人の名前Wからの受け売り&知ったかぶり。

  • 姓がない。でも一見「名・姓」のように見える
  • 前半部分はいわゆるファーストネームで、これは諸外国と同じ
  • 後半部分は、親(多くは父親)のファーストネーム(の属格)に、息子なら「son」、娘なら「dóttir」をつけたもの

自分的には、「ロシア人の名前(名・父称・姓)の姓がない状態」みたいにとらえましたが、合ってますかね??

……というわけで、エンドクレジットを見ると、俳優さんの名前は大半が「son」や「dóttir」が付いています。
そのあたりも面白いので、以下役名と俳優名を英語版Wikipediaから切り貼りしてみました。

警察
アンドリ (Andri Olafsson) / Ólafur Darri Ólafsson
主人公の警察署長。大柄でひげ面のムーミンといった風。妻とは別れ、娘2人とこの町にある妻の実家に住んでいる。どうもレイキャビクの警察本部でばりばりやっていたのに、何か訳ありで近年この地に転任した模様。地元のことは部下2人の方が詳しい。
ヒンリカ (Hinrika) / Ilmur Kristjánsdóttir
部下の警察官。アンドリ署長と比べると体積3分の1ぐらい(推定)の小柄な女性。ちょっと微妙なキャラのパートナーと一緒に暮らしている。
アウスゲイル (Ásgeir) / Ingvar Eggert Sigurðsson
部下の警察官。おじさん風だが、年齢不詳。手痛いドジを踏んでしまうこともあるが、端末と一体化して捜査能力を発揮。しかも似顔絵が得意♪ プライベートは不明。
トラウスティ・エイナルソン (Trausti Einarssson) / Björn Hlynur Haraldsson
レイキャビクにある警察本部の犯罪捜査局局長。口ひげの男。アンドリとは対立気味。どうも昔何かあった様子。
ソール (Þór Snædal) / Jóel Sæmundsson
トラウスティのチームの一員
Ævar / Arnar Jónsson
警察本部の偉い人。アンドリのことを気にかけている。
警察官の家族
アグネス (Agnes Eiríksdóttir) / Nína Dögg Filippusdóttir
アンドリの別れた妻。弁護士。事件当日パートナーと一緒に実家にやって来た。いずれ娘たちと別の町で一緒に暮らすつもり。
エイリク (Eiríkur Davidsson) / Þorsteinn Gunnarsson
アグネスの父親
ソーヒルドゥル (Þórhildur) / Hanna María Karlsdóttir
アグネスの母親
ダグニー (Dagný Eiríksdóttir) / Rán Ísóld Eysteinsdóttir
アグネスの末の妹。7年前の出来事で死亡。
ソーヒルドゥル (Þórhildur) / Elva María Birgisdóttir
アンドリとアグネスの娘(姉)。母方祖母と同じ名前。
ペルラ (Perla) / Júlia Guðrún Lovisa Henje
アンドリとアグネスの娘(妹)
ローフェイ (Laufey Eiríksdóttir) / Katla M. Þorgeirsdóttir
アグネスの姉妹。3人姉妹のおそらく長女。教師。
ヨハンナ (Jóhanna) / Jasmín Dúfa Pitt
その娘。ダグニーに似ている。ガソリンスタンド勤務。
シグヴァルディ (Sigvaldi) / Rúnar Freyr Gíslason
アグネスの恋人。アグネスと一緒に彼女の実家に来ている。議員と知り合いだった。
バルドゥル (Bárður) / Guðjón Pedersen
ヒンリケのパートナー。自由人風。コーヒーにこだわりがある。穏やかそうな人物だが、ハッパを栽培してキメたりするなど、ヒンリケと似つかわしくない部分もある。
町の人たち
ヒヨルトゥル (Hjörtur) / Baltasar Breki Samper
ダグニーの恋人。7年前の事件(Ep1の冒頭で描かれた)で恋人を失い、心と体に傷を負う。事件後服役し、その後スペインに渡ったと言われている。フェリーの厨房で働いていたが、寄港とともに実家へ立ち寄る。
ネタばれにつき折りたたんでいます。クリックで開閉します。
遺体の写真をネットに流したのはヒヨルトゥル。しかし遺体を盗んだことは否定。釈放される。
Freyja / Ólafía Hrönn Jónsdóttir
ヒヨルトゥルの母親。7年前に息子の無実を信じ切れなかったことがあり、息子との信頼関係が揺らいでいる。
フラーフェン (Hrafn Eysteinsson) / Pálmi Gestsson
市長。開発推進派。元警察署長。
ネタばれにつき折りたたんでいます。クリックで開閉します。
妻に暴力を振るっているのをロギヴァルドゥルにのぞき見されている。
第5話で、自宅の離れにいたところを、何者かに火を付けられ焼死。
コルブルン (Kolbrún) / Sigrún Edda Björnsdóttir
市長の妻。
レイヴル (Leifur) / Jóhann Sigurðarson
バラバラ死体を一時的に安置した水産加工場の所有者。開発推進派。マリアの父親。
マリア (María) / Lilja Nótt Þórarinsdóttir
レイヴルの娘。幼い息子をひとりで育てているように見える。市長のスタッフで、仲が良さげ?
マギー (Maggi) / Jón Pétursson)
マリアの子。父親がいないと、学校でいじめられている。父親とはいつも電話で話しているようだが……
グズムンドゥル (Guðmundur) / Sigurður Karlsson
漁師。最初に胴体を見つけた。開発反対派。
ネタばれにつき折りたたんでいます。クリックで開閉します。
第4話で雪崩の危険性を察知。爆破で人工的に安全な方角に雪崩を起こし町を守ろうとするが、自らまきこまれてしまう。第5話で救出されるも、重傷を負っていて搬送途中で死亡。
シグルドゥル (Sigurður Gudmundsson) / Þorsteinn Bachmann
グズムンドゥルの息子で、港湾施設の監督。開発賛成派。どうやら市長に弱みを握られている様子。
Aldís Grímsdóttir / Steinunn Ólína Þorsteinsdóttir
その妻で教師。学校で働いている若者と浮気中。
ヒャルマル (Hjálmar) / Eysteinn Sigurðarson
浮気相手の若者。
グッドニ (Guðni) / Kristján Franklin Magnúss
ホテルの経営者。開発推進派。面長。
ロギヴァルドゥル (Rögnvaldur) / Sigurður Skúlason
町外れに住む車椅子の老人。望遠鏡で住人たちを覗いている。交通事故で妻を失い、おそらくその事故で現在の状態となった。
ネタばれにつき折りたたんでいます。クリックで開閉します。
人身売買組織の運転手ヨナスが残した携帯に使い捨て携帯との通話履歴があり、町で購入した人物の一人だったため、捜査の対象となった。もう一人はグッドニだが、買ったことを否定。
ソフィア (Soffia) / Salka Sól Eyfeld
ヨハンナの友達。第5話で2人でヒヨルトゥルをプールへ誘う。
フリドリック・ダビッドソン (Friðrik Davíðsson) / Magnús Ragnarsson
出たがりの議員。開発推進派。説明会にやってきて、そのまま雪で足止めをくらった。おそらく町の住人ではない。
ゲイルムンドゥル・ヨンソン (Geirmundur Jónsson) / Stefán Jónsson
ネタばれにつき折りたたんでいます。クリックで開閉します。
議員の証言で作られた似顔絵から、バラバラ殺人の被害者と目される。町に戻ってきては問題を起こしていた厄介者。なぜか警察署の資料から彼に関するファイルが消えてしまっている。
フェリーの乗員乗客
船長 (Soren Carlsen) / Bjarne Henriksen
船長。殺人事件の捜査に非協力的。人身売買に関わっているようだが、他の悪者に利用されているような節もある。
ヨナス・マラコウスカス (Jonas Malakauskas) / Vytautas Narbutas
リトアニア人。若い黒人女性2人を連れていた。人身売買に関わっていたようで、2人を乗せて白いバンで強行上陸してしまう。
ネタばれにつき折りたたんでいます。クリックで開閉します。
追跡後に逮捕されるも、隙を見て脱走。その後横転した車の中で死んでいるのが発見される(これはおそらくスリップ事故)。
ジョイ (Joy) / Grace Achieng
ヨナスに連れられていたナイジェリア人の女性。妹とヒンリカの家に保護されている。
ニシャディ (Nishadi) / Marta Quental
ジョイの妹
アヤニケ (Ayanike) / Georg Leite de Oliveira Santos
フェリーのシェフ。ヒンリカの家の前で雪だるまを作っているジョイ姉妹を見かける。
Dvalin Knudsson / Hans Tórgarð
フェリーの機関士。船長と妙な間柄。
ヴァイスマン (Björn Weissmann) / Steve Lorenz
フェリーの乗客のスイス人。入港前ヒヨルトゥルともめていたのをシェフが目撃している。乗客をリストと照合していた市長が、(おそらく本人が見つからなかったということで)死体の身元だとアンドリたちに報告した(第2話)。
ネタばれにつき折りたたんでいます。クリックで開閉します。
第5話で、ヨハンナとソフィアに誘われてプールパーティーにやってきたヒヨルトゥルが、ヴァイスマンに遭遇。仲直りする。

ロケ地

IMDbでは、

Seyðisfjörður, Iceland (location)
Iceland
Siglufjörður, Iceland (location)

……ってこれまた読めません……

英語版Wikipediaによると、撮影はシグルフィヨルズル(Siglufjörður)で2015年1月から5月まで。いくつかの場面はレイキャビクで2014年12月にとのことです。

例によって、IMDbのリストとウェブマップを頼りに画面とにらめっこでチェックしています。
間違えていたらごめんなさい。誤りのご指摘大歓迎です。

港町その1

主な舞台となる港町、特にフェリー乗り場は、設定通りこちら↓で撮影。

セイジスフィヨルズル(Seydisfiordur)W

アイスランドの東部。深~いフィヨルドの奥にあります。

フェリー乗り場はこちら↓

By Erik Christensen
via Wikimedia Commons
(CC BY-SA-3.0)

フェリーはこちら↓

MS NorrönaW

By Erik Christensen
via Wikimedia Commons
(CC BY-SA-3.0)

港町その2

他の大部分は、IMDbのリストにあるもう一つの町で撮影されているように見えます。
こちらはアイスランド北部。

シグルフィヨルズル(Siglufjörður)W

たとえば、時折写る赤い屋根の教会はこちら↓

By Jakob Gleby
via Wikimedia Commons
(CC BY-SA-3.0)

修復中だった住まい(ナイジェリア人姉妹が隠れていたところ)もこの近くで見つけまたが、おそらく普通の個人宅と思われますので、マップは略。アグネスの実家も同様。

市庁舎↓
“Ráðhús”とあるのでどうやらホンモノのようです。

警察署(Lögreglan)は調査中。

水産加工場↓

※16/7/3追記
警察署がわかりました。
水産加工場のすぐ隣の、こちら↓でした。

個人宅ならマップで示しづらいところですが、ストリートビューの画像を見る限り、救助隊(ICE-SAR : Icelandic Association for Search and RescueW)の施設のようです。

※16/7/6追記
そのすぐ南側が、ヨハンナが働いているガソリンスタンド付帯のお店。

第1話OP

バイクが疾走する水辺の道。
こちらも、シグルフィヨルズル(Siglufjörður)。

By Navaro 
via Wikimedia Commons
(CC BY-SA-3.0)

曲は、KaleoのVor í Vaglaskógi (2013)

 
 
 

レイキャビク犯罪捜査局

犯罪捜査局として登場した建物はこちら↓

Volcano HouseW
Tryggvagata 11, Reykjavík, Iceland
http://www.volcanohouse.is/about/

アイスランド国営放送

※16/7/3項目追加

第5話あたりで夜景で外観が写ります。
レイキャビクのこちら↓で、カメラ東向き。

ドラマの中では玄関上に”RÚV”と大きくロゴが見えますが、ストリートビューでは見当たりません。
VFXで追加したのかもしれませんね。

ロケ地マップ

 
 
 

資料

関連記事

海外ドラマ本部はここ

更新履歴

  • 2016/07/05 「港町その2」追記
  • 2016/07/03 「港町その2」「アイスランド国営放送」追記
  • 2016/06/27 新規アップ

References   [ + ]

1. 前半5話だけゴールデンウィーク中に一挙放送して、5月25日からまた第1話に戻り、今度は毎週1話ずつ放送していくという、あいかわらずワケわからないAXNミステリーの編成です。

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